第12話 夫婦間の課税関係(3)

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今日は、東北三大祭りといわれる仙台七夕祭りが行われ、仙台の商店街や駅前を中心に、祭りのメインである巨大な七夕飾りが多数飾られています。この仙台七夕祭りには、カップルで行くと別れるといった都市伝説があります。あくまでも都市伝説なので、根拠はなにもないのですが、ただ、祭り自体が、巨大な七夕飾りを見て歩くだけという非常に地味なお祭りなので、会話が持たないことも原因にあげられるのかもしれません。

 税理士としては、今回は別れをテーマに「夫婦間の別れについての税制」についてお話をしてみたいと思います。

 夫婦が別れるときにも、課税関係が生じる場合があります。

 原則として「慰謝料」、「財産分与」、「養育費」等がお金で支払われる場合、当事者双方に税金はかかってきません。
 しかし例外として、家、土地などの不動産などの 資産の移転に関しては その不動産を譲り渡した方に税金がかかってきます。
 例えば、「譲渡所得税」と言われるものです。(また、時価が30万円を超える高価なものは課税される場合があります。例えば、宝石などが挙げられます。)

譲渡所得税という呼び方は通称で、譲渡所得に対する所得税と住民税を併せて譲渡所得税と呼ばれます。
 そして、この不動産を譲り受けた方には「譲渡所得税」や、「贈与税」はかからないものの、「不動産取得税」、「登録免許税」などがかかってきます。
 もっとも、財産分与はそもそも、婚姻中の夫婦の協力によって得た財産を分けるという意味があることから、例えば、極端に言えば夫の財産を全て、妻に渡した場合は、夫婦として協力して作り上げた財産以上の部分には別途「贈与税」がかかってきます。

また、夫が多額の借金をしてしまい財産隠しのためにわざと離婚をして妻の方に多額の財産分与をした場合には、「偽装離婚」と判断され、「分与された財産」全てに「贈与税」がかかってきます。例えば、ローン付の家を贈与された場合、家の価格から、ローン額を引いた価格が課税対象となります。

上記のように財産分与を行うと、不動産の価値によっては多額の譲渡所得税が課せられてしまいます。そのため、当該譲渡所得税が譲渡した人に、かかるのであれば、譲渡しなかったという錯誤無効を主張し、当該財産譲渡という法律行為を無効とする事は可能でしょうか?
 実際に、専門家であっても全ての法律・判例・通達を把握しているわけではなく、離婚時の財産分与であっても課税されることを知らない者は少なくありません。
 そのため、条件によっては、錯誤無効が主張できます。
具体的には、
① 財産分与する側が課税されないことを相手方に黙示的に表示していた場合。
② 知らなかった事に対して、重大な過失がない場合
 このような場合には財産分与という法律行為を無効とする事ができることになります。

でも実際問題で、財産分与を全部現金で支払える方は少数だと思われます。

多額の相続税を支払ったのちに相続財産を承継して現預貯金にゆとりがある方や資産家の方は別ですが、大抵の方は財産処分をするのが通常です。

次に不動産を譲り渡す場合には例えば夫から妻に既に住んでいる自宅を譲渡する場合が考えられます。
 この際、税金はどのようにかかってくるでしょうか?
 まず、このような住むために使われている自宅を譲渡する場合には、3千万円の特別控除が受けられます。
 ここで気をつけたいのが、この控除を受けるためには離婚後に渡さなければ
いけないということです。また、ここでいう特別控除を受けるための「住むために使われている自宅」という条件は何も譲渡するときまで住んでいる必要はなく、「住むために使われなくなった日から3年を経過する年の12月31日までの譲渡」であれば特別控除を受けることが可能です。
 では、離婚前に自宅の贈与を受けた場合(例えば婚姻中に夫が自宅を妻に贈与する場合)には贈与税が自宅を貰った側にかかってきます。
 もっとも、この場合でも配偶者控除制度があります。

具体的には課税価格から、2,000万円の配偶者控除が受けられます。
ただし、その条件として、
① 贈与の時点で婚姻期間が満20年以上の夫婦であること
② 贈与を受けた財産が居住用不動産であること、又は居住用不動産を取得するための金銭で実際に居住用不動産の取得に当てられたこと。
③ 翌年の3月15日まで贈与を受けた者の居住の用に供し、その後も引き続き

居住する見込みであること。
以上3点が必要となります。

また、贈与税は年間110万円の基礎控除が認められていることから、上記の配

偶者控除と合わせて、2,110万円まで税金はかからないことになります。

文責 仙台市で相続税に特化した税理士事務所|栁沼隆 税理士事務所

所長 栁沼  隆

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