第64話 認知症対策に有効な民事信託(2)

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~ 後見制度 ~

 後見制度とは、「成年後見人」や「保佐人」「補助人」等という言葉を耳にしたことがある方も多いと思いますが、簡単に表現すると、意思能力を欠く場合、ご本人の財産を保全するために、その段階に応じて、財産管理を行う人をつけるという制度です。この制度により様々な詐欺等から、ご本人を守ることができるので不可欠な制度ですが、いざ、不動産を売却するという視点から見ると、高いハードルとなります。
 そもそも後見制度は、前述の通り、ご本人の財産の保全をすることが目的のため、財産を減少させることはできません。そのため、不動産を売却したりする事は、ご本人の財産を減らすことにつながる為、認められないことになります。
 但し、例外もあり、ご本人が介護を受けたり、施設を利用したりする必要があり、そのためには、その不動産を売却することでしか当該費用を確保できない場合や、その不動産を売却する諸条件(価格や時期等の各種条件)が一般的に売却することと比較して、ご本人にとって多大な利益が生じる場合は、家庭裁判所からの許可が下ります。
 逆にいえば、上記要因でなければ、後見制度を利用して不動産を売却することは非常に困難です。よく、「後見制度を利用すれば、認知症の方の不動産を売却できる」と主張される方がいらっしゃいますが、その認知の程度にもよりますが、上記の主旨からまず、困難と思われます。
 次回は、例外の2つ目としての「民事信託」という制度を取り上げたいと思います。

文責 仙台市で相続税に特化した税理士事務所|栁沼隆 税理士事務所

所長 栁沼  隆

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