第107話 公図と現況のずれ

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登記所には、土地の区画(筆界)を明確にするための資料として地図が備え付けられることになっています。公図は、地図が備え付けられるまでの間、「地図に準ずる図面」として地図に代わって備え付けられている図面で、土地の大まかな位置や形状を表すものです。
 公図の多くは、明治時代の地租改正に伴い作成されたもので、現況と大きく異なる場合があります。

 明治10年代から20年代初めのころ、短期間に測量して作られた土地台帳に土地の面積が書き込まれました。

それを元に昭和35年の登記簿と土地台帳が一元化されることになり、現代の登記簿に移行されることになりました。
 したがって、明治時代の稚拙な測量技術で算出された面積が、そのまま現在の登記簿に反映している場合もあります。

一方、土地の面積は租税徴収の重要な資料でもあることから、当時の地主たちが意図的に少ない面積を報告して土地台帳に記載させていたこともあったことでしょう。当時の明治政府の税収入のほとんど(約90%)が地租でありました。
 例えば、登記簿では200平方メートルの山林であったとしても、境界立会を行って実測してみたら、なんと2万平方メートルもあったということは良くある話です。

登記簿の面積は近年になって実施された測量によるもの、例えば土地区画整理法、土地改良法、国土調査法、地図整備事業等によるものは最新の成果になればなるほど正確な面積を表しています。
 また、土地地積更正登記等が行われた土地、あるいは土地分筆登記が行われた分筆地は正しい面積を表わしています。

しかし、分筆後の残地が差し引き計算で処理している場合には、古い登記簿面積を引きずっていることになるので、必ずしも正しい面積を表しているとは言えません。
 いずれにしても登記簿面積は常に正しいものとは限らないので、該当する土地の歴史や沿革を良く調査することが重要です。

以上のことをふまえながら、正しい土地の境界を調査・測量・登記することによって初めて登記簿は正しい面積を表すことができます。

文責 仙台市で相続税に特化した税理士事務所|栁沼隆 税理士事務所

所長 栁沼  隆

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