第111話 相続税対策の養子縁組の有効性 (4)

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 普通養子縁組では、実親と養親の相続権がある反面、実親と養親どちらの親に対しても扶養義務が生じます。親が働けなくなり収入がなくなって介護が必要になれば、面倒を見る義務が生じます。

 これでは大変だと養子縁組を取り消そうと思っても、一旦養子縁組の届け出が受理されると簡単に取り消すことはできません。養子縁組を行った後に、養親と養子の関係が悪くなり、養子縁組を解消したいということになっても、原則としては、お互いの合意がないと解消はできません。

 事業を継がせるために、一人娘の配偶者を婿養子に招き入れるという話はよく聞きます。娘夫婦は仲が良ければ問題は起きませんが、仮に離婚した場合について考えてみます。

 婚姻の解消は「離婚」というのに対して、養子縁組を解消することは「離縁」といい、現在では、「離婚」と「離縁」はまったく別個のものとして扱われます。

つまり、離婚しただけでは、当然には養子縁組関係は解消されません。

離婚した間柄なのに、親の相続権だけは別れた元夫に残るというのは、妙な関係になってしまいますので、離婚と同時に離縁をするというのが一般的です。しかし、娘の配偶者が養親の相続権をあきらめない限り、養子関係は続くことになります。

相続税対策として養子縁組は節税メリットが大きいですが、家族間の複雑な事情を考慮したうえで決断しないと大きなしっぺ返しになりかねないことを肝に銘じましょう。

文責 仙台市で相続税に特化した税理士事務所|栁沼隆 税理士事務所

所長 栁沼  隆

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