第123話 相続分のないことの証明書(特別受益証明書)(3)

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自分は遺産を相続しないでよいと考える場合に、「相続分のないことの証明書」が利用されることがあります。そのことをもって、自分は相続放棄をしたとの認識を持っている方もいらっしゃいます。

けれども、相続放棄は必ず家庭裁判所で手続きしなければなりません。それ以外の方法では、法律上の意味での相続放棄とはなりえませんのでご注意ください。

確かに、「相続分のないことの証明書」を作成する方法でも、家庭裁判所で相続放棄手続きをしても、遺産を相続しないとの結果だけを見れば同じように思えます。

ところが、被相続人に債務(借金)があった場合には、事情が異なります。「相続分のないことの証明書」を作成することにより、遺産を相続しないものとしても、そのことにより債務の支払い義務がなくなるわけではありません。

そのため、相続財産は一切引き継げないのに、債務(借金)の支払い義務だけを相続することにもなりかねません。

これに対し、家庭裁判所で相続放棄をすれば、被相続人の財産も負債(債務、借金)も一切引き継がないこととなりますから、借金の支払い義務からも完全に逃れることができることになります。

 前にも書きましたが、他の相続人から「相続分のないことの証明書」の作成を依頼された場合であっても、遺産分割協議に参加する意思を示すことで、問題点が解決されることもあることをご承知ください。

文責 仙台市で相続税に特化した税理士事務所|栁沼隆 税理士事務所

所長 栁沼  隆

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