第129話 被相続人に多額の借金があった場合(3)

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積極財産(プラスの財産)や消極財産(マイナスの財産)の種類が多く、総額がプラスになるのかマイナスになるのか、よく分からないケースがあります。総額がマイナスになる場合、相続放棄を、プラスになるのなら相続の単純承認をすることになりますが、相続放棄はあとから撤回できませんし、といって単純承認をしてあとから借金のほうが多かった、などというのでは困ります。

このような時に、「積極財産の範囲内で消極財産を相続します」という意思表示が、限定承認と呼ばれるものです。もし消極財産が多ければ、相続財産はゼロ、積極財産が多ければ差額を相続するということです。こんな便利な制度なら、限定承認をすれば、相続放棄や単純承認をする必要がないと思う方もいると思いますが、限定承認は、かなり煩雑な手続きなので、よほどの事情がないとお勧めはしません。

そして、限定承認は、「相続人全員」が行わなければなりません。ただし相続を放棄した人は含まれません。1人でも単純承認をすると、限定承認はできなくなります。

方法は、相続人全員で、相続を知ってから3ヶ月以内に家庭裁判所に申述(意思を申し述べること)することにより行います。その際、限定承認をした者にさまざまな義務と事務処理が強いられます。

なお、相続放棄も相続を知ってから3ヶ月以内にしなければなりません。単純承認も原則同じですが、相続放棄や限定承認をしないで3ヶ月経過すると、単純承認をしたとみなされます。

それでは、遺産分割をする前に不動産を差し押さえられた場合はどうなるのでしょうか?

次回はこれについて述べさせていただきます。

文責 仙台市で相続税に特化した税理士事務所|栁沼隆 税理士事務所

所長 栁沼  隆

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