第136話 契約書におけるトラブル(1)

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6月に入り、ゴルフをする方にとっては、暑さ対策も必要になってくるシーズンです。熱中症には十分注意しましょう。

私は、ゴルフを練習する際に、自宅の庭にゴルフ練習場を造られている方にお願いして年間2万円で使わしてもらっています。

先日、今年もよろしくと2万円をお支払しようとしたところ、今年から消費税分、合わせてお支払いくださいといわれました。

先方とは、そもそも契約書などなく口頭にて契約をしていましたが、こちらとしては、税込にて2万円をお支払していたつもりである旨を伝えて、いまだ話し合い中です。

このように契約書がない場合や、契約書があったとしても消費税についてどのような記載をするかによってさまざまなところに影響を及ぼします。今回は、特に契約書上における消費税の記載事項の注意すべき点についてお話していきたいと思います。

例えば、駐車場の賃貸借契約において、賃料月額を「32,400円(消費税額を含む)」と記載していた場合と「3万円に消費税相当額を加えた額」と記載していた場合とでは、契約期間の途中で消費税が増税された場合に、貸主の受領できる金額が異なってくる可能性があります。

前者の「32,400円(消費税額を含む)」の記載の場合、文言上、確定金額である32,400円に消費税等の額も含まれていると解釈できるので、消費税が増税されたとしても賃料額は32,400円のまま変わらないという可能性があります。

これに対し、後者の「3万円に消費税相当額を加えた額」と記載の場合、消費税が増税された場合でも増税分は借主が負担することになります。

後者のような記載方法は、総額表示義務に違反するのでは、との懸念もあるかと思いますが、総額表示義務は、不特定かつ多数の者に課税資産の譲渡等を行う場合に課される義務であり(消費税法63条の2)、主に広告や値札等での記載が想定されています。

そのため、特定の者との間で締結する契約書においては、総額表示義務はなく、後者のような記載方法も可能です。

ただし、「3万円に消費税相当額を加えた額」の記載だと、実際の支払金額が明記されず、借主において分かりにくいという事実上の問題もあります。そのため、賃料月額を「3万円に消費税相当額2,400円を加えた合計32,400円」とした上で、別に「税法の改正により消費税等の税率が変動した場合には、改正以降における上記消費税等相当額は変動後の税率により計算する。」旨の条項を入れておくのが適切とおもわれます。

文責 仙台市で相続税に特化した税理士事務所|栁沼隆 税理士事務所

所長 栁沼  隆

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