第169話 お中元

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 お中元シーズンがやってまいりました。我が事務所にも関与先様から届いております。うれしい限りです。このようにお中元などの金品の贈与を個人が受けた場合、課税関係は生じるのでしょうか?

 金品の贈答は、「誰からもらったか」により取り扱いが異なりますので、それぞれの場合に分けてご説明致します。

 

  •  仕事に関係のない個人からもらった場合

個人から贈答を受けた場合には、「贈与」となり贈与税の課税対象となります。ただし、相続税法基本通達第21条の3-9に、「個人から受ける香典、花輪代、年末年始の贈答、祝物又は見舞い等のための金品で、法律上贈与に該当するものであっても、社交上の必要によるもので贈与者と受贈者との関係等に照らして社会通念上相当と認められるものについては、贈与税を課税しないことに取り扱うものとする」となっていますので、高額な贈答品でない限り贈与税は課税されません。

 

  •  取引先等法人からもらった場合

法人から贈答を受けた場合には、「雑所得」又は「一時所得」となり所得税の課税対象となります。所得税法上の所得とは「事業所得」「不動産所得」「給与所得」「一時所得」など全部で10種類あり、他の9種類の所得のいずれにも該当しないものを「雑所得」と呼びます。

所得税法基本通達第35条-1に雑所得の例示があり、その中に「役員又は使用人が自己の職務に関連して使用者の取引先等からの贈与等により取得する金品」とありますので、お中元やお歳暮だけでなくチップや心づけなど取引先等からの金品の贈答は「雑所得」となり、所得税の課税対象となります(チップや心づけなどで公平性を期すため会社が回収し再分配される場合には、給与所得となる場合があります)。
法人から受ける金品でも、懸賞金のような業務とは関係性がないものは「一時所得」となります。

 最近流行りの、ふるさと納税で地方公共団体から受ける特産品などのお礼の品も業務とは関係がない法人からの贈与に当たりますので一時所得となりますが、一時所得は計算上控除額が50万円ありますので、ふるさと納税だけで課税されることはあまり考えられません。

 

ここで注意すべき点として、所得税の確定申告については、給与を1ヶ所から受けていて、各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く)の合計額が20万円以下の場合には申告をしないことができることです。
また、20万円以下の申告不要の規定については所得税のみの規定であり、住民税の申告は必要となります。
つまり、税務署で確定申告をしない場合は、市役所で申告をする必要があるということになります。

文責 仙台市で相続税に特化した税理士事務所|栁沼隆 税理士事務所

所長 栁沼  隆

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