第176話 相続が争族にならないために (5)

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 ~ 遺言書は両刃の剣 ~

 

 生前にできる相続対策として非常に有効とされる遺言について少し考えてみましょう。遺言書は被相続人の思いを形にするための法的拘束力を有し、相続人以外の者に財産を残したいときや、もっとも世話になった相続人の分を手厚くするときに重宝です。

 遺言内容に不満がある法定相続人は遺留分減殺請求ができるために100%被相続人の思い通りになるとは限りませんが、ある程度の願いは果たせるはずです。

 そのため、「ピンポイントで遺す」には、効果を発揮します。

 しかし被相続人が「子供たちがもめないように」という親心で遺言を残したときは、これが逆効果になることが多いことも事実です。兄弟の力関係でなんとなく収まる形になっていたものが、余計な割振りによりかえってギクシャクしてしまうのです。

 家族円満を願ったとき、遺言書が本当の威力を発揮するのは、実はハード面よりソフト面だといいます。

 ハード面では、何をだれにあげるかについて争いの元になりますが、ソフト面である「お母さんを大事に」とか「お盆ではみんな集まるように」といった言葉は、無用な争いを遠ざける大きな効果があります。

 「庭の梅は君らのおじいさんが私の生まれた時に植えたものだ」という一文があるだけで、実家を売り払って親族がバラバラになるのを止めたケースもあります。

 遺言書は思いを伝えるものという基本に立ち返って活用すべきなのでしょう。

文責 仙台市で相続税に特化した税理士事務所|栁沼隆 税理士事務所

所長 栁沼  隆

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