7926af62c0e4989f2aa1fa7c1c333174_s

 元日本テレビキャスターの丸岡いずみさんに23日、ロシアの代理母によって第1子となる長男が生まれました。昔、「情報ライブ ミヤネ屋」で、いじられまくっていた丸岡さん。いつも毅然としていた態度には感心させられたものでした。

 この代理母について、法律的な立場では、どのような扱いになるかお話ししたいと思います。

 不妊に悩む夫婦の残された選択の一つが、代理母に出産を依頼することです。妻の卵子と夫の精子でつくられた受精卵で妊娠するので、生まれてきた子は夫婦のDNA(遺伝子)を持ちますが、日本では法律的に夫婦の実子とは認められておりません。

 現行民法の解釈では、「出生した子を懐胎し出産した女性が母となり、卵子を提供した女性との間に母子関係の成立を認めることはできない」とあるからです。代理母出産による子を相続人にしたければ、特別養子又は普通養子にする必要があります。特別養子縁組は、養親と養子の親子関係を重視するために養子は戸籍上養親の子となり、実親との親子関係はなくなります。この場合、実子扱いになりますので、相続税法上も実子同様、法定相続人の数に含まれます。

 これに対して普通養子縁組は、養子が実の親との親子関係を存続したまま、養親との親子関係をつくることになります。この場合、相続税法上、被相続人に実の子供がいない場合、養子は 二人までと法定相続人の数に制限がされます。しかし両縁組を行うにしても、卵子を提供した女性の法的立場は「実母」ではなく、あいまいなままです。

 将来、被相続人の死後に保存された精子・卵子から、相続人となる実子が生まれるなどの事態も起こりうるかもしれません。そうなれば、相続に関する税務も変わらざるを得ません。先進医療に対する法的整備が必要と考えます。

文責 仙台市で相続税に特化した税理士事務所|栁沼隆 税理士事務所

所長 栁沼  隆

「所長の独り言」一覧はこちら

 

免責
本記事の内容は投稿時点での税法、会計基準、会社法その他の法令に基づき記載しています。また、読者が理解しやすいように厳密ではない解説をしている部分があります。本記事に基づく情報により実務を行う場合には、専門家に相談の上行うか、十分に内容を検討の上実行してください。当事務所との協議により実施した場合を除き、本情報の利用により損害が発生することがあっても、当事務所は一切責任を負いかねます。また、本記事を参考にして訴訟等行為に及んでも当事務所は一切関係がありませんので当事務所の名前等使用なさらぬようお願い申し上げます。