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 相続税の税務調査で被相続人の預金口座などを国税が調査した際、どこにいったか分からない出金が見つかることがあります。調査官はこの場合、行き先が不明である以上は、被相続人が相続時に持っていた財産であると推測せざるを得ないとして、相続税の課税対象にするように修正申告を求める場合があります。このような場合に知っておきたい事例として、被相続人が保有していた金塊の不明部分につき、国税の課税処分が取り消された事例があります。

 本件では、相続の3年ほど前に取得した金塊の数量と、遺言書に書かれた内容に大きな差があり、その差額の大部分について、調査をしてもどこにいったか分からない状況であったため、国税は被相続人が相続開始時に保有していたとしか考えられないとして、相続税を課税するとともに、財産の隠蔽として重加算税も賦課しています。しかし、審判所はそれでは立証が足りないとして、課税処分も重加算税も取り消しております。

文責 仙台市で相続税に特化した税理士事務所|栁沼隆 税理士事務所

所長 栁沼  隆

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