第331話 「幸楽苑」VS「日高屋」(2)

3a869887a1883c82320662406965deea_s

 まずは、幸楽苑HDとハイデイ日高の利益率と経費率を比較検証してみます。数値は2012~16年度の平均値を用いることにします。

経費率のひとつである売上原価率(売上高に占める売上原価の割合)は、幸楽苑HDが26.8%で、ハイデイ日高が27.3%。両社の差はほとんどありません。これは大まかに言うと、ラーメンなど商品自体の経費(食材費など)の割合には大きな差がないことを意味します。

では、利益率のひとつである売上高営業利益率(本業の儲けを示す営業利益が売上高に占める割合)はどうでしょう。幸楽苑HDがわずか1.8%であるのに対して、ハイデイ日高は11.9%もあり、10ポイント以上も差が開いています。

なぜ営業利益率に大きな差が生じているのか。答えは、経費率のひとつである売上高販管費率(売上高に占める販売費・一般管理費の割合)にあります。ハイデイ日高が60.8%であるのに対し、幸楽苑HDは71.4%で10ポイント以上も高くなります。販管費率の差が、そのまま営業利益率の差となっています。

 販管費の中で大きな割合を占めるのが人件費と地代家賃です。幸楽苑HDは、この2つの点で効率化や有効活用ができていないと考えられます。人件費に関しては、パート・アルバイト比率の違いが関係していると思われます。

 一方の地代家賃はどうでしょう。幸楽苑は全国に約560店を展開していますが、その大半は郊外のロードサイドにあります。このため幸楽苑は4人席など複数人が利用できるテーブル席の割合が高い。一方、同じラーメン店である日高屋は、駅前繁華街を中心に立地し、カウンター席の割合が高い。

幸楽苑では、4人席を1人だけで利用するといった状態が起きやすく、席に遊休が生じやすくなります。また、家族客など複数人で来店する客は1人客に比べ長居になりがちです。そうなると客の回転スピードが遅くなり、効率は当然落ちます。結果として、売り上げに貢献しないスペースの割合が高くなってしまい、地代家賃が無駄に膨れ上がることになってしまいます。

文責 仙台市で相続税に特化した税理士事務所|栁沼隆 税理士事務所

所長 栁沼  隆

「所長の独り言」一覧はこちら

 

免責
本記事の内容は投稿時点での税法、会計基準、会社法その他の法令に基づき記載しています。また、読者が理解しやすいように厳密ではない解説をしている部分があります。本記事に基づく情報により実務を行う場合には、専門家に相談の上行うか、十分に内容を検討の上実行してください。当事務所との協議により実施した場合を除き、本情報の利用により損害が発生することがあっても、当事務所は一切責任を負いかねます。また、本記事を参考にして訴訟等行為に及んでも当事務所は一切関係がありませんので当事務所の名前等使用なさらぬようお願い申し上げます。