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 2社で大きく異なるのは店舗の立地戦略です。幸楽苑はほとんどの店舗に駐車場があります。それだけ郊外への店舗展開が徹底しているといえます。一方のハイデイ日高は、ほとんどの店舗で駐車場がありません。あるのは埼玉県の郊外19店だけです。これが何を意味するのか。

 2社の直近決算における貸借対照表を比較してみますと建物及び構築物(純額)は幸楽苑68億円、ハイデイ日高64億円と大差ないものの、土地は幸楽苑39億円、ハイデイ日高16億円と2倍以上の開きがあります。つまり、ハイデイ日高のほうが「持たざる」効率経営を推進しているという側面も指摘できます。ちなみに直近決算期末の自己資本比率は幸楽苑38.2%、ハイデイ日高72.7%。財務の健全性でも差がでています。

 ハイデイ日高は都心部の店舗展開の強みを活かし、ちょい飲みを上手く取り込むことに成功したのでしょう。都心部では電車やタクシーなどで移動する人が大半で、自家用車で移動する人が少ないから飲酒運転の心配もありません。

 日高屋ではちょい飲みを提案するように、おつまみのから揚げや枝豆などのメニューが目立つように記載されています。一方、幸楽苑はおつまみメニューの表示が小さく、それもまとめて表示されています。

 「店舗の立地」と「メニュー構成」という外食チェーンの「基本」ともいえる戦略の違いが、時間とともに大きな差となって現われてきているように思われます。

文責 仙台市で相続税に特化した税理士事務所|栁沼隆 税理士事務所

所長 栁沼  隆

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