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 正しくいえば、暦上では元日は1月1日だけれども、慣習、典礼上正教会では新年を9月としたり、エジプトでは8月を、あるいはローマ人は初代皇帝アウグストゥスの誕生日9月23日を、またカトリック国でも受胎告知日(聖母マリアが天使ガブリエルから神の子の宿りを告げられたとされる日)であり、春分の日である3月25日(受胎告知、春分の日)を一年の始まりとしたりしていました。フランスでは伝統的に復活祭(イースター)を新年の祝日とする習慣が根づいていました。
 しかし、新暦グレゴリオ暦の導入とともに、新年元日は1月1日である、という意識づけが行われました。グレゴリオ暦は最新の科学に基づいた精度の高い暦でした。暦の導入は、古い時代意識からの脱皮や変革を強いるものでもありました。そこで、カトリック国の中でも新暦の導入で混乱したフランスで、反発が起きたであろうことは想像できます。暦の変更や古い慣習の否定への反感や落胆から、「つまらない4月」「ばかげた4月」といったいわれ方をし、4月に嘘をつきあってせめて憂さ晴らしする習慣が出来たのかもしれません。
 新年の祝日にプレゼントをしあう習慣があったことから、バカげた、空のプレゼントを贈るといういたずらも生じたのだとか。きっと何ともいえない喪失感を感じるのではないでしょうか。そうした気持ちがエイプリルフールを生み出したのかもしれません。

文責 仙台市で相続税に特化した税理士事務所|栁沼隆 税理士事務所

所長 栁沼  隆

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