第349話 トランプ大統領が仕掛ける貿易戦争 (3) 

55b6b183f316a51ae4fdb6c509cb1835_s

 各国が自国の利害を優先して、保護主義的な通商政策を強めることによって、いわば合成の誤謬のような形で世界経済が委縮してしまうことは、世界恐慌をきっかけに1930年代初頭にかけて実際に経験してきたところです。しかし現在の米国での拡張的な税・財政政策や保護主義的な通商政策は、経済が良好な中で実施されている点が大きく異なります。この面から、こうした政策は、経済環境が生じさせたというよりも、政策理念的な側面に基づいているというのが歴史的な観点からも大きな特徴といえます。
 当初はトランプ政権の経済政策に対する不信感という金融市場の警鐘との側面も帯びて生じた足もとでの経済・金融情勢の動揺は、トランプ政権がこの市場の警鐘を無視して、実際の保護主義的な通商政策により傾いたことによって、米国及び世界の経済問題としてさらに発展する様相を見せています。その悪影響を金融市場がさらに懸念して金利上昇、株価下落が進み、それが実体経済に明確な悪影響を与える場合には、金融市場と実体経済との間で悪循環が生じてしまいます。そうなれば、好調を維持してきた世界経済が、俄かに変調をきたす可能性も覚悟しておかなければなりません。

文責 仙台市で相続税に特化した税理士事務所|栁沼隆 税理士事務所

所長 栁沼  隆

「所長の独り言」一覧はこちら

 

免責
本記事の内容は投稿時点での税法、会計基準、会社法その他の法令に基づき記載しています。また、読者が理解しやすいように厳密ではない解説をしている部分があります。本記事に基づく情報により実務を行う場合には、専門家に相談の上行うか、十分に内容を検討の上実行してください。当事務所との協議により実施した場合を除き、本情報の利用により損害が発生することがあっても、当事務所は一切責任を負いかねます。また、本記事を参考にして訴訟等行為に及んでも当事務所は一切関係がありませんので当事務所の名前等使用なさらぬようお願い申し上げます。