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 海外取引については、従来から国税が課税強化を打ち出しており、本改正についても、その方向性に則った改正になります。ただし、この改正には問題も多くあります。
 10年に延長されるとなると、贈与税の節税を考えて国外に移住されていた方にとっては、非常に酷な話になりますし、国外取引を取り締まる国税にとっても、大きな負担になります。過去10年間の記録を税務調査する必要があるからです。
 加えて、10年も国外にいなければ贈与税の負担は回避できないわけですから、やるとすれば日本に戻らない覚悟で移住する必要があります。こうなると、税金を納める富裕層の海外移転がますます加速され、日本の税収に悪影響を及ぼす可能性も指摘できます。

  しかし海外での生活は、さまざまな苦労が生じます。気候や風土、食べ物の違いは、年を経るごとに心身にこたえてくるもの。日本の友人や親族、仕事仲間などの人間関係も疎遠になるでしょう。

 節税のためとはいえ、割に合わなくなった節税策といえそうです。

文責 仙台市で相続税に特化した税理士事務所|栁沼隆 税理士事務所

所長 栁沼  隆

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