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 ここまでの説明で、「贈与税が0円になっても相続税で納めなければならないのでは意味がないのでは?」と疑問に思う方は多いでしょう。相続時精算課税のメリットは結局何なのだと。

 相続時精算課税で良いところは、贈与財産の評価は「贈与時の価値」が使われるというところです。財産の価値は評価するタイミングで大きく変わっていくものです。価値が上がっていくものがあれば下がっていくものもあります。

 つまり、通常の相続税では「相続するタイミング」での財産の評価が自動的に相続財産の価値とされますが、相続時精算課税では「贈与のタイミング」での財産の評価が結果的には相続財産の価値となるのです。つまり財産の評価が任意のタイミングで行えることになります。

 したがって、価値が低いときに財産を贈与し、相続のタイミングでその価値が大きく上がっていれば本来払うべき相続税から価値上昇分の税金を節税することができることになります。

 すなわち 『相続時精算課税のメリット』 は財産価値が上がる場合の財産相続に有効な方法といえるでしょう。

 なにより、相続させたい財産を将来相続人になるであろう人に生前に贈与しておくことで、相続争いを防ぐ効果もあります。

文責 仙台市で相続税に特化した税理士事務所|栁沼隆 税理士事務所

所長 栁沼  隆

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