第391話 特定口座 (3)

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 特に課税所得が330万円以下であれば、配当控除を使うと税金が還付される可能性があります。配当控除とは、課税所得1000万円以下の場合、算出された税額から所得税10%・住民税2.8%を減額するという制度です。

※ 課税所得が1000万円超の場合には所得税5%・住民税1.4%減額となりますが、配当控除を活用した節税効果は期待できませんので、割愛します。

 配当控除を受けるには確定申告が必要です。確定申告をすると総合課税が適用されるため、所得税は超過累進課税の所得税率、住民税は一律10%の税率で再計算されることになります。

 ただし前述したように、課税所得1000万円以下なら所得税10%・住民税2.8%が減額されるため、

  • 所得税率が10%の人→10%全額が軽減されるので負担はゼロ
  • 所得税率が20%の人→10%減額されるので負担額は10%にダウン
  • 住民税→税率は一律10%、2.8%減額されるので負担額は7.2%にダウン

となります。

 つまり、源泉徴収選択口座内で計20%の税金が天引きされたままにするか、配当控除を使うことで実質負担額を軽くするか、という選択肢になります。

 次に課税所得区分別に整理してみます。

課税所得195万円以下

  • 所得税率5%だが10%の税額控除があるので所得税の負担率0% 
  • 住民税率10%だが2.8%の税額控除があるので住民税の負担率7.2%

・・・・所得税の負担率0%+住民税の負担率7.2%=合計負担率7.2%となるので所得税率15%・住民税5%の合計20%で申告不要としておくよりも有利

課税所得330万円以下

  • 所得税率10%だが10%の税額控除があるので所得税の負担率0% 
  • 住民税率10%だが2.8%の税額控除があるので住民税の負担率7.2%

・・・・所得税の負担率0%+住民税の負担率7.2%=合計負担率7.2%となるので所得税率15%・住民税5%の合計20%で申告不要としておくよりも有利

課税所得695万円以下

  • 所得税率20%だが10%の税額控除があるので所得税の負担率10% 
  • 住民税率10%だが2.8%の税額控除があるので住民税の負担率7.2%

・・・・所得税の負担率10%+住民税の負担率7.2%=合計負担率17.2%となるので所得税率15%・住民税5%の合計20%で申告不要としておくよりも有利

源泉徴収選択口座は「確定申告が不要」なのが投資家にとって大きなメリットなのですが、反面、節税の機会を逃してしまうこともあります。とりわけ源泉徴収選択口座で取引している方は、確定申告書の下書きをしてみて、申告すると税金の還付がないかどうかチェックすることをおすすめします。

文責 仙台市で相続税に特化した税理士事務所|栁沼隆 税理士事務所

所長 栁沼  隆

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