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 不動産を相続した人の3割はその不動産を空き家のままにして有効活用していないというアンケート結果を、不動産情報サイトの運営会社がまとめました。 

 全国に860万戸ある空き家は相続をきっかけに増えている実態があきらかになっています。

 不動産情報サイトを運営するシースタイル社の調査によりますと相続した不動産の利用法として最も多かったのは「自分で住んだ」(36.8%)で、「子供が住んだ」(3.5%)、「親が住んだ」(1.8%)と合わせて4割以上が不動産を住まいとして利用していることが分かります。

 続いて「空き家として管理」と「空き家として放置」が合計で28.7%でした。

 空き家のまま有効活用されないのは、建物の解体費用の負担に加え、家を取り壊すと土地の固定資産税が高くなることがネックになっているとみられます。

 このほか、「売却」(22.8%)、「賃貸」(8.8%)などが続きます。

 また、相続する可能性のある不動産の利用法についての設問では「わからない」が39.2%でトップでしたが、利用法が決められていない不動産の多くは空き家化になる可能性が高くなります。

 実際、同じ設問で「空き家として管理予定」と「空き家として放置予定」と回答したのは9.1%にすぎず、相続した不動産の3割が空き家となっている現状とのギャップが見られます。

 不動産を相続する予定の人は相続後の活用法を事前に検討しておく必要がありそうです。

 国は空き家の増加を防ぐため、行政の権限強化を盛り込んだ空き家対策措置法を2015年に施行しました。周辺の生活環境に危険を与えるおそれのある空き家の敷地は固定資産税が更地の6分のⅠに軽減される特例を適用できなくなったほか、命令に違反すれば罰金や強制退去を受けることもあります。

 また税制改正によって相続した空き家を売却した際の譲渡所得の金額について、3千万円までを控除する特例も施行されています。

 しかし全国に860万戸あるといわれる空き家が減少する兆しは見えず、野村総研研究所は2033年には空き家の数が2150万戸にまで増える可能性があると予測しています。

文責 仙台市で相続税に特化した税理士事務所|栁沼隆 税理士事務所

所長 栁沼  隆

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