第490話 消費税転嫁拒否リスク

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 今年10月に予定される10%への消費増税に向け、政府は小売店などが値引きセールを行う際の広告表示に関する指針を発表しております。「消費税還元セール」などの表示を禁止する一方、「2%値下げ」といった消費税を直接意味しない表現なら問題なしとしました。

これは消費税増税に関し、政府は駆け込み購入と、その反動減による需要変動を防ぐため、企業に増税後の値下げを促す考えです。ただ「消費税還元」をうたう値引きは、消費税転嫁対策特別措置法で禁止されており、小売業者からは認められる広告が分かりにくいなどとの指摘が出ていたものに対処するものです。

 消費税の増税が行われれば、原材料費も仕入価格も上がり、最終的には店頭価格も値上げされるのが自然な流れです。しかし店頭価格が上がると客離れが生じるため、店頭価格を据え置きにし、納入業者との取引にも増税分の上乗せを認めないという動きが起こります。これが転嫁拒否といわれるものです。

 この転嫁拒否リスクに対応すべく安倍晋三首相は、消費増税への経済対策として、クレジットカードなどを使ってキャッシュレス決済した際に5%のポイント還元を検討する考えを表明しました。増税から20年夏の東京五輪前までの9カ月間実施する方針です。2%の増税幅を超える負担軽減によって、増税後の景気を下支えする狙いです。

 このキャッシュレス決済によるポイント還元は中小小売店での購入分を対象として、クレジットカードや電子マネー、QRコードなどでの決済が対象となります。ポイントを発行するカード会社などを通じて還元し、会社の負担分を国が補助することになります。

 今回の消費税引き上げでは、食料品は8%のまま据え置きとなります。ここで問題が発生します。スーパーのような多数の商品を取り扱うお店では、食料品とそれ以外の商品を同時に取り扱うため、複数税率の設定に対応したPOS端末が必要となります。また、購入額の5%分をポイントで還元といった施策が打たれるということは、キャッシュレス決済に対応していない場合顧客離れが懸念されます。今回の消費税増税は、小売店泣かせの増税で、レジの入れ替え、新たに購入で旨味強めはレジ機器の3代大手企業くらいでしょうね。

 

文責 仙台市で相続税に特化した税理士事務所|栁沼隆 税理士事務所

所長 栁沼  隆

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