第508話 年齢制限緩和の民法改正で変わる相続

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 現行法で成人といえば20歳に達した人を指しますが、民法改正により2022年4月以降は18歳以上が成人となります。改正後も飲酒・喫煙や公営ギャンブルは法律上20歳未満には認められない一方、20歳を境界線にしている税制に関しては年齢要件が引き下げられ、18歳から適用される見通しです。

 20歳を境界線にしている税制はいくつかありますが、代表的なものとして相続税の優遇措置の「未成年控除」があります。相続や遺贈で財産を取得した人が20歳未満なら、相続税額から一定の金額を控除できる制度です。

一方、20歳以上を適用対象にしている制度には、2,500万円までの贈与に利用できる「相続時精算課税制度」があります。同様に、直系尊属からの暦年贈与特例や非上場株式の納税猶予などの税制も20歳以上が対象となります。これらの年齢要件が、成人年齢が見直される3年後に18歳に変わります。

 また、遺産分割協議も成人年齢の影響を受けます。相続人が妻と未成年の子だとしますと、未成年者である子は協議内容の決定について法定代理人の同意が必要になります。法律行為の法定代理人は通常であれば親権者ですが、遺産分割協議では親が自分に有利になるよう財産の分け方を決め、未成年者である子が不利になる可能性があるため、民法では親権者は特別代理人の選任を家庭裁判所に請求しなければならないと定めています。この特別代理人の選任義務が生じる年齢も現行の20歳から18歳に見直されることになります。

文責 仙台市で相続税に特化した税理士事務所|栁沼隆 税理士事務所

所長 栁沼  隆

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