第510話 永遠の旅行者

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 永遠の旅行者とは、随分前に米国で考えられた租税回避スキームの一つで、各国で非居住者とされる期間のみ滞在することで、納税額を合法的にゼロ又は最少にするライフスタイルのことをいいます。

 日本は生活の本拠である住所の有無により非居住者の判定をしますが、米国では183日以上滞在すれば米国居住者とされます。つまり、ここでいう「非居住者とされる期間」は、日本流ではなく米国居住者の判定基準に基づいて考えだされたことになります。例えば、日産自動車元会長のカルロス・ゴーン氏は月のうち日本で10日間、パリで10日間、そして残りの日数を別の国で過ごしていたとされます。

 ゴーン氏は、米国弁護士だったケリー氏からアドバイスを受けていたそうですので、合法的に各国での納税額を最少化するためのスキームを伝授されていたはずです。

 ゴーン氏の狙いは、最高税率が50%程度の日本とフランス両国で居住者にならずに合法的に納税額を最少にしてこれを実行することです。

 ゴーン氏の興味は、まずは多額の役員報酬を受領できるかどうか、そして受領できるとわかれば次はいかにして所得税額を最少化して手取りをより多くするかです。

 そして、そのためにゴーン氏は永遠の旅行者というライフスタイルを選択したと考えられます。

文責 仙台市で相続税に特化した税理士事務所|栁沼隆 税理士事務所

所長 栁沼  隆

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