第511話 平成29年分相続税申告状況

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 国税庁はこのほど、平成29年分の相続税の申告状況を公表しました。それによりますと、被相続人数(死亡者数)は約134万人(前年約130万8千人)、このうち相続税の課税対象となった被相続人数は約11万2千人(前年約10万6千人)で、課税割合(全ての被相続人のうち、相続税の課税対象となった人の割合)は8.3%(前年8.1%)となり、前年を上回り過去最高を更新しました。

 高齢者人口が増え続ける中で、被相続人数も増加を続けており、過去10年間で約23万人増加(年平均1.9%増加)しており、今回も前年より約3万3千人の増加(前年比3.3%増加)となりました(平成28年分:1,307,748人→平成29年分1,340,397人)。

 また、課税対象となる被相続人数については、平成11年以降の減少傾向から、平成16年以降は増加に転じ、平成27年には平成25年度税制改正の基礎控除の引き下げ等によって課税対象者が拡大され、一気に前年比83.2%も増加して10万人の大台を突破しております。それから2年引き続き増加し111,728人と過去最多を更新しております。平成29年度は大きな影響を及ぼす税制改正が無い中で、被相続人数が前年比3.3%の増加に対して、課税対象相続人数は前年比5.8%と高い増加率を示しています。

 課税価格と税額はともに、税制改正後の平成27年に大幅に増加し、平成29年課税価格は前年比5.5%増、税額は前年比8.1%増と、制度改正が無い中で昨年以上の大きな増加となっています。

 相続財産の金額の構成は、土地が36.5%、現金・預貯金等31.7%、有価証券15.2%の順となっています。バブル期のピーク時の平成4年には土地が実に75.9%を占めていましたが、その後年々その割合は小さくなり、過去50年間を見ても平成27年に初めて40%を割り込み、平成29年はさらに小さくなっております。一方で現金・預貯金等が増加し、構成比は今回31.7%となりました。

 バブル崩壊後の地価と相続税評価は下落を続けてきましたが、全国的には地価は上昇傾向に転じており、大都市圏の条件の良いエリアなど、立地条件によっては、今後相続時の評価額も上昇する可能性もあります。したがって、相続に備えるにあたっても、今後の地価の予想によって講ずべき対策が異なることに留意する必要があります。

文責 仙台市で相続税に特化した税理士事務所|栁沼隆 税理士事務所

所長 栁沼  隆

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