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第517話 相続物件の売却

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 相続不動産を売却するケースとして、相続により被相続人の不動産を相続したものの実際には住まないために売却する場合や、相続財産を遺産分割協議により分割する場合にその後の権利や管理などが複雑になるために不動産を金銭にしてから分割する換価分割としての不動産売却があります。
 ここで気を付けたいのが相続不動産を売却する場合も不動産の譲渡による所得には譲渡税がかかります。
 これは相続税を納税した、しないに関わらず発生しますので注意が必要です。

 譲渡税は不動産の保有期間によって税率がかわります。

 まず不動産を売却する場合、その不動産を所有する期間が長いほど税率が低くなります。
 所有期間が譲渡した年の1月1日時点で5年より短い場合は短期譲渡所得とされ、所有期間が譲渡した年の1月1日時点で5年を超える場合は長期譲渡所得とされます。
 なお、建物と土地は別個に所有期間を計算しますので土地が長期譲渡所得で建物が短期譲渡所得になる場合もありますので注意してください。
 この所有期間の起算点は相続の場合、原則被相続人が所有を開始した時点となります。(相続開始時ではありません)
 税率は長期譲渡所得の場合15%+住民税5%ととなり、これに更に平成49年までは復興特別所得税2.1%がかかります。短期譲渡所得の場合は30%+住民税9%ととなり長期譲渡所得と同様に復興特別所得税が2.1%更にかかります。譲渡した価格(売却価格)からその不動産を取得した時に要した費用(買い取った時の価格)と譲渡費用(売却にかかった費用)を差し引いた金額が課税譲渡所得金額となります。
 この課税譲渡所得金額に先ほどの短期譲渡所得税率又は長期譲渡所得の税率で計算すると納税する譲渡所得の金額が出ます。

相続した不動産がとても古いもので購入した代金等が分からない場合もあります。親が不動産を購入したのなんてかなりの昔で、さらに本人が買ったわけではないのだから購入時の書類を見つけることは難しいのが当然です。(権利証は残っているはずですので、その近辺の封筒を探してみたら見つかる場合もあります) こういった取得費がわからない時、取得費は売却価格の5%とすることができます。

また、その売却物件に過去に払った相続税がある場合には、その支払った相続税の一部を「取得費」に加算でき譲渡所得の金額を軽減させることができます。

ただし、この特例は、相続税の申告期限から3年以内の譲渡に限られますので注意が必要です。

その他、被相続人が住んでいた不動産を相続した相続人が、家屋、もしくは家屋取り壊し後の土地を譲渡した場合には、譲渡所得から最高3千万円を控除できる特例もあります。この特例は相続日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すれば適用可能です。この最大3千万円を控除できる特例の適用条件は

  1. 相続した家屋が昭和56年5月31日以前に建築された家屋で、相続発生時に被相続人以外は住んでいなかったこと
  2. 譲渡をした家屋や土地は、相続から譲渡の時点まで居住、貸付、事業用に使われていなかったこと
  3. 譲渡価額が1億円を超えていないこと

の3つとなります。

文責 仙台市で相続税に特化した税理士事務所|栁沼隆 税理士事務所

所長 栁沼  隆

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