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 ここ最近、コンビニで、スマホの画面を見せて お支払いしている人をよく見かけます。「クレジットカード」「Suica」「nanaco」「LINE Pay」に加えてできた新しい「スマホ決済アプリ」が「PayPay」なのだとか。

 PayPayは、スマホ一つで買い物ができる「決済アプリ」。決済方法は2つあり、一つ目はお店のQRコードを読み込みます。その後、お会計金額を入力し、お店の人に確認してもらって決済完了。2つ目は自分のスマホにバーコードを掲示してお店の人に読み取ってもらうだけで、簡単に買い物のお支払いをすることができます。今はちょうどキャンペーン期間中なので、特に注目されています。お支払方法によって、買い物額の20%のポイント還元があるというものです。1回あたり千円、期間中5万円が限度のようです。

 ところで、個人事業主や法人がPayPayで買い物をした場合、キャンペーンの還元ポイントは税務会計上、どのように処理するのでしょうか。

 12万円のパソコンを購入して、2万4千円のポイント還元を受けたとしましょう。この場合、このパソコンは10万円未満として消耗品として計上できるのでしょうか。

 ポイント還元の会計と税務について最も気を付けたいのは、還元は値引きではないということです。つまり、付与されたポイントは、収入として処理することになります。パソコンを9万6千円ではなく、12万円で購入して、別途2万4千円の収入があったことになります。ちなみにポイント還元の収入は、消費税法上不課税になります。

 勘定科目は、法人については雑収入扱いになりますが、個人事業主については少し複雑になります。これについて税務大学校が次のような見解を示しています。

 『所得区分に関しては、多くの場合は法人からの贈与として一時所得となるが、業務に関連して取得したポイントについては事業所得に、役務提供の対価として獲得したポイントについては雑所得になる。その結果、所得区分の異なるポイントが合算された後に使用された時、どの所得区分のポイントが使われたかを決定してそれに応じて申告をするというのは困難な場合も多いであろうと思われる。

 それでも一時所得については、一時所得の特別控除額によって、ほとんどの納税者は申告する必要は生じないであろう。そのため、事業所得となる場合の記帳方法が定着すれば、実務上の困難の多くは解消すると思われる。』

 まとめますと、話題のPayPayを事業の支払いに使うと、値引き処理ではなく、収入として処理することになります。個人事業主は特に注意が必要で、業務に関連して取得したポイントについては事業所得や不動産所得に、役務提供として獲得したポイントについては雑所得になります。また、多くの場合は法人からの贈与として一時所得となりますが、50万円の特熱控除の範囲内かどうかについては他の一時所得と合算して判断するので注意が必要となります。

文責 仙台市で相続税に特化した税理士事務所|栁沼隆 税理士事務所

所長 栁沼  隆

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