第549話 政党助成金

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 北方領土問題をめぐって「戦争で奪還」を肯定するような発言をし、日本維新の会から除名処分を受けた丸山穂高衆議院議員。問題発言で五輪相を更迭された桜田義孝議員。性犯罪で刑事告訴されるや、説明責任も果たさずに雲隠れし、議員辞職にあたっても何の釈明もなかった田畑毅代議士。

 最近、政治家の不祥事が、よくニュースに取り上げられています。以前は、政治家とカネにまつわる汚職事件がメインでしたが、政党助成法のおかげか、汚職にまつわる話題は、最近鳴りを潜めています。しかし、この政党助成法、様々な問題点があるようです。

 政党助成金は「政界の浄化」を掲げた細川内閣が、企業・団体献金を廃止するにあたっての代替財源として1994年に導入しました。年間およそ320億円が交付され、これまでの支給総額は7千億円に及びます。導入から25年になりますが、企業・団体献金は廃止されず、「右手に税金、左手に献金」という二重取りが続いています。

 交付された助成金は各政党本部から支部へ流れ、さらに政治家個人の政治資金団体や後援会というブラックボックスに入ります。政党助成法では、「政党助成金は国民の信頼にもとることのないように、適切に使用しなければならない。」としているものの、「交付に当たっては、条件を付し、またはその使途について制限してはならない。」と規定され、例外として禁止されている借金の返済と貸付以外は、基本的に自由であることが認められています。

 さらに国会議員への優遇措置はまだまだあります。政党を除く「人格なき社団等」とされる政治団体は、収益事業に該当しない「寄付金」の収受には法人税がかかりません。また「公益を目的として事業を行うもの」と位置付けられていることから、寄付金に対して贈与税や相続税も課税されることはありません。

 例えば、親の政治団体から子の政治団体へ「寄付」として資産を移せば、子の政治団体には法人税も贈与税も相続税も課税されないことになります。政治資金規正法による「量的制限」で年間5千万円までとされていますが、これはあくまで「政治団体1つ当たり」の話です。資金管理団体が、政治家一人につき一つと定められている一方で、それ以外の私的な政治団体については数的な制限などありません。すなわち闇の財布はいくらでも持てることになります。親議員の持つ政治団体の数が多ければ多いほど、年間に寄付できる金額は多くなります。10の政治団体を持っていれば、年間5億円まで無税で資産移転が可能な計算になります。

文責 仙台市で相続税に特化した税理士事務所|栁沼隆 税理士事務所

所長 栁沼  隆

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