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 民法の相続制度には「特別受益」という考え方があります。生前贈与を受けた人は特別な利益を受けたものとして、法定相続分から贈与を受けた分だけ差し引かれてしまう仕組みで、生前贈与は一旦相続財産に戻されて、それから全員の取り分を計算する方法が採られています。

 類似した特例は税法にもありまして、税法では原則3年以内の贈与については生前贈与とは認めず相続財産として課税します。しかし例外があり、20年以上連れ添った配偶者ヘの居住用不動産の贈与につきましては、持ち戻されなくてもよいとされます。

 これが税法で認められたおしどり夫婦への特例というものです。

 しかし、民法の世界では、これまで同様の特例がありませんでした。税法では優遇される生前贈与であっても、民法上はどれだけ昔の生前贈与であっても全て持ち戻され、遺産分割の対象となり、また遺留分減殺請求の対象にもなってきました。今回民法改正で導入されました配偶者への自宅贈与の例外規定は、税法のおしどり特例を民法に輸入したものと言えるかもしれません。これからは、20年以上連れ添った配偶者から生前贈与か遺贈によって受けた財産は特別受益に当たらない扱いとされます。

文責 仙台市で相続税に特化した税理士事務所|栁沼隆 税理士事務所

所長 栁沼  隆

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