第555話 相続放棄でも使える生命保険金の非課税枠

e68b2ac878e110c2a4639a33271057d1_s

 生命保険の死亡保険金は相続税の課税対象ですが、残された家族の生活を保障するという役割を踏まえて、他の財産から独立した「500万円×法定相続人の数」の非課税枠を設けています。例えば妻と子供2人の計3人なら、法定相続人は3人で、1500万円の生命保険金を相続財産から割引できますので、生命保険金は他の財産に比べてかなり優遇されています。

 そして生命保険の非課税枠を算定する際の「法定相続人の数」には、そもそも保険金の受取人となっていない人や、相続を放棄した人も含まれます。前のケースで妻と子供Aが保険金の受取人となっていて子供Bには受け取る権利がなく、子供Aが相続放棄をした場合、妻一人が1500万円の非課税枠を満額使えることになります。

 この時、相続放棄した子供Aであっても、受取人固有の財産となる生命保険金を受け取ることは出来ますが、相続税法上、生命保険の非課税枠を使えません。

 もう一つの注意点として、この1500万円は相続人一人ずつに与えられた非課税枠ではなく、支給された生命保険金の全額にかかる枠であることです。例えば、保険金2000万円のうち妻が1000万円、子供2人がそれぞれ500万円を受け取った時を考えますと、非課税枠はそれぞれが取得した保険金の割合に応じて按分され、妻は半分の1500万円×1/2=750万円の非課税枠が使え、残り250万円が課税対象となります。子供2人は、1500万円×1/4=375万円が差し引かれ残り125万円に課税される計算になります。

文責 仙台市で相続税に特化した税理士事務所|栁沼隆 税理士事務所

所長 栁沼  隆

「所長の独り言」一覧はこちら

 

免責
本記事の内容は投稿時点での税法、会計基準、会社法その他の法令に基づき記載しています。また、読者が理解しやすいように厳密ではない解説をしている部分があります。本記事に基づく情報により実務を行う場合には、専門家に相談の上行うか、十分に内容を検討の上実行してください。当事務所との協議により実施した場合を除き、本情報の利用により損害が発生することがあっても、当事務所は一切責任を負いかねます。また、本記事を参考にして訴訟等行為に及んでも当事務所は一切関係がありませんので当事務所の名前等使用なさらぬようお願い申し上げます。