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 2度の延期を経て、今回こそは消費税率10%への引き上げが現実のものとなりそうです。住宅や自動車などの高額商品をはじめ、様々な業界が駆け込み需要を期待して営業攻勢をかけてきています。なかでも最近になって活気づいているのがお墓の業界です。墓石は、中国製の廉価品でも80万円以上、最高級の香川の庵治石となれば800万円クラスもざらにあるほど高額な買い物です。消費税率2%の違いは大きいだけに購入者が相次いでいます。

 一般に「お墓を買う」といいますが、実際には墓地の購入とセットです。お寺や霊園などから墓地の永代使用の権利を購入し、そこに別業者である墓石屋から墓を買って設置します。

 注意したいのは、実際に墓が完成するまでに1~2カ月はかかることです。予定通り消費税率が引き上げられたとして、現行の税率適用は今年9月30日までですので。それまでに墓の引き渡しが完了していなければなりません。契約済状態でも実際に墓が建立していなければ10%の税率となります。

 なお、墓の購入は消費増税を見越した対策だけではなく、相続税の節税対策としても効果的です。相続税法では、墓地や墓石は被相続人が生前に取得していれば相続税の対象外の財産となります。また、墓地の購入は、法的には「所有権」ではなく「使用権」となりますので、購入時の不動産取得税や購入後の固定資産税などもかかりません。生きているうちに高額なお墓を買うことで財産を減らせるので、効果的な節税対策となり得ます。

文責 仙台市で相続税に特化した税理士事務所|栁沼隆 税理士事務所

所長 栁沼  隆

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