南米初開催のリオデジャネイロ五輪は、17日間の熱戦に終止符を打ち、閉会式を迎えました。特に仙台の聖ウルスラ学院英智高出身のバドミントン女子ダブルスで金メダルを獲得した高橋礼華、松友美佐紀組(タカマツペア)の試合には感動いたしました。ハラハラドキドキの試合で、相続税の申告作業も少しペースが遅れがちです。税理士として反省しきりです。
そこで今回は、メダルの報奨金と税金の関係についてお話をしたいと思います。
今年のオリンピックで獲得したメダル数は、過去史上最多の41個でした。
オリンピックでメダルを獲得すると、JOCからの報奨金と、それに加盟する各競技団体あるいはスポンサー企業などから報奨金がもらえます。
一方パラリンピックでは、日本障害者スポーツ協会から報奨金が出ます。
オリンピックで選手がメダルを獲得しますと
金メダル 500万円 銀メダル 200万円 銅メダル 100万円
がJOC(日本オリンピック委員会)からそれぞれの選手に支払われます。
一般に賞金などは、所得税法上「一時所得」に分類され、課税対象となりますが、JOCから贈られる報奨金に関しては、租税特別措置法第41条の8第1項において「オリンピック競技大会において特に優秀な成績を収めた者を表彰するものとして財団法人日本オリンピック委員会から交付される金品で財務大臣が指定するものについては、所得税を課さない。」ことが明記されています。
もともとはこの報奨金にも税金がかかっていて、選手たちはそれぞれの報奨金に課税された税金を収めていましたが、1992年に行われたバルセロナオリンピックの競泳の平泳ぎで金メダルを取った岩崎恭子さん、当時中学2年生に支払われた報奨金が所得税に当たるとして課税され、注目されました。
国会でもこの問題は取り上げられ、その後、オリンピックでメダルを取った選手に贈る報奨金には課税しない法律が制定されました。
このとき、他にも日本学士院や日本芸術院から贈られる賞や、ノーベル基金からノーベル賞として交付される金品についても同様に課税されないことが決まりました。
同様に、JOC加盟の競技団体から報奨金が出る場合でも、金300万円、銀200万円、銅100万円までは非課税とされています。
あと意外に知られていないのかもしれませんが、オリンピックに出場する選手でも
企業に所属している選手には、JOCから出る報奨金とは別に報奨金が支払われています。
しかもJOCからの報奨金とは雲泥の差!種目によってはJOCからの報奨金が、スズメの涙とも思えるほどの額です。これらの報奨金は、賞与扱いで、給与所得として源泉所得税が徴収されます。
これに対してパラリンピックでメダルを獲得しますと
金メダル 150万円 銀メダル 100万円 銅メダル 70万円
これらの金額が日本障害者スポーツ協会や募金などから出ております。
これらの報奨金についても全額非課税となっております。