第985話 坊主丸儲け
「坊主丸儲け」という言葉は、もともとは寺社の〝元手〟のかからなさをやゆした言葉でしたが、今では宗教法人に与えられた税優遇を指すときにも使われるようになりました。しかし最近、税金面では優遇されている宗教法人が、厳しい税務…
続きを読む第984話 お尋ね文書
税務署から送られてくる「相続税のお尋ね」などの書類、いわゆる「お尋ね文書」は、法律上の位置づけとしては税務調査ではなく、行政指導に当たります。そのため必ず回答しなければいけないわけではなく、無視したからといってそれ自体…
続きを読む第983話 複数回の葬儀
家族が亡くなり葬儀を行う際に、亡くなられた方の住居と故郷とが遠く離れていた場合、葬儀を最後に住んでいた住居と遠方の故郷とで2回にわけてとり行われるケースもたまにはあります。このとき、両方の葬式の費用を相続財産の額から控…
続きを読む第982話 2つの路線価に挟まれた角地の評価方法
相続財産の中に土地があったとき、その価値は国税庁から発表されている「相続税路線価」を基に計算することになります。このとき1本の道路にのみ面する土地であれば計算は簡単ですが、正面と側方に道路がある宅地、つまり角地であった…
続きを読む第981話 名義財産対策
相続税の税務調査で問題になる名義財産ですが、その名義人が配偶者の場合には通常よりも大きな注意が必要になります。被相続人の名義財産か否かを判定する際、 ①その名義財産の原資を出した者はだれか(出損者) ②そ…
続きを読む第980話 遺留分の金銭債権化
2019年7月に施行された改正民法では、約40年ぶりに相続関連法の大きな見直しが行われました。そのうちの一つが「遺留分の金銭債権化」です。 従来は、遺産分割の内容に不満を覚えた相続人が遺留分を請求したとき、その請求の…
続きを読む第979話 かわいい孫に財産を残す方法
相続税を節税するためには、子ではなく孫に遺産を受け継がせる「一代飛ばし」が有効といわれています。ですが、そのために子に相続放棄をさせるのは意味がありません。孫が法律上の相続人となれるのは被相続人の子、つまり孫にとっての…
続きを読む第978話 “坊主丸儲け”に当局のメス
和歌山県で寺院を運営する2つの宗教法人が、檀家から受け取るお布施を私的に流用し、大阪国税局が計約1億5千万円を「隠し給与」と判断して所得税の徴収漏れを指摘したことが判明しました。 宗教法人は、お布施など宗教活動にあた…
続きを読む第977話 認知症患者が相続人の中にいた場合の協議の進め方
高齢化社会の進行に伴って、認知症患者の増加が社会問題となりつつあります。老々介護も珍しくなく、親が亡くなったときは子もすでに高齢で、なかには認知症を患っているということも少なくありません。こうしたとき、遺産分割にはどの…
続きを読む第976話 教育資金の贈与特例
2023年税制改正大綱では、子や孫への教育資金の一括贈与が1500万円まで非課税になる特例の2年延長が盛り込まれました。ただし、同時に要件が厳格化され、受け取った側が30歳に達して残額に贈与税が課されるときには、家族向…
続きを読む第975話 少額所得
国税である所得税は ①給与所得者で ②その年中に支払いを受ける給与等の金額が2000万円以下で ③1ヵ所からしか給与等の支払いを受けておらず ④給与所得及び退職所得以外の所得金額の合計額が20万円以下 であれば、確定申…
続きを読む第974話 うっかり贈与
世間には何気なく妻や子供にプレゼントしたものが贈与と認定されて予想していなかった税負担を課される「うっかり贈与」が散見されます。渡し方さえ間違えなかったのなら無税で引き継げる財産に課税されるのはあまりにもったいない話で…
続きを読む第973話 防衛増税
今年度の税制改正大綱には、防衛力の拡大強化に必要な財源確保のため、法人税、所得税、たばこ税の3つの税目で増税措置を複数年かけて実施することが盛り込まれています。ですが政府・与党の議論の経緯は不明瞭であり、防衛増税の根拠…
続きを読む第972話 税務署の事前相談の使い方
私は税務上の疑義につき、その解決のための明快な事例が書籍やデータベースになければ、税理士であっても税務署の見解を聞くべきであると考えています。 しかし当局では税理士の質問には原則として答えないとしており、税理士が税務…
続きを読む第971話 税務調査
税務署から税務調査の連絡があったが、繁忙期で対応できる余裕がなく、可能であれば断りたいとしたときに、調査そのものを断ることは可能でしょうか? 答えは残念ながらNOです。税務署の調査は納税者の同意に基づく「任意調査」とは…
続きを読む第970話 特別受益
2023年度税制改正大綱で、生前贈与した財産を相続税の対象に引き戻す「持ち戻し」の見直しが盛り込まれました。この持ち戻しは正式名称を「生前贈与加算」といい、相続税法で定められた税金のルールです。 相続に関しては、民法…
続きを読む第969話 公正証書遺言
公正証書遺言は、全文を自筆で書く「自筆証書遺言」と違い、作成のプロである公証人がかかわるので基本的に不備はありません。確実に自分の思いを次世代に残すには最善の手法と言えます。 この公正証書遺言は、遺言のプロである「公…
続きを読む第968話 マイナスの遺産
相続財産は、預貯金や有価証券、又は不動産といったいわゆる「資産」と呼ばれるものだけで構成されていればありがたいのですが、ときに借金などの「負債」も一緒についてくることがあります。負債の方が資産よりも多ければ相続放棄とい…
続きを読む第967話 これからの相続対策
2023年度税制改正大綱では、資産家の相続税対策の定番であった年間110万円の暦年贈与について持ち戻し期間の延長が盛り込まれました。一方、もう一つの課税方式である相続時精算課税には大幅な拡充がなされています。さらに贈与…
続きを読む第966話 固定資産の交換の特例
土地や建物などの取得には原則として譲渡所得税がかかりますが、固定資産を同じ種類の固定資産と交換した時に限っては、その譲渡がなかったものとする「固定資産の交換の特例」が利用できます。ただし、この特例を受けるためにはいくつ…
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