リオ五輪はジョコビッチが1回戦で負けるなど大波乱でした。錦織圭は準々決勝のモンフィス戦でマッチポイントを3回跳ね返しての大逆転勝ち!準決勝ではミスがいつもよりも多く、マレーに敗れるも、3位決定戦でナダルをフルセットで撃破!見事に日本人として96年ぶりのメダルを獲得しました!
また、全米オープンテニス2016では、リオ五輪金メダリストのマレーに勝利しております。全米オープンテニスで準決勝に敗退したものの、世界ランキング5位になる見込みです!
仙台で同居している実母も熱烈な錦織圭のファンで、昔は軟球テニスをやっていたとのこと、若いときには高体連で3位に入ったほどの実力者です。一緒に夜中に応援しておりました。
さて、ここで、問題です。世界を転々としている錦織選手の税金は、いったいどこの国に納めるのでしょうか?
多くの国が締結する租税条約では、年間の滞在日数が183日(1年の半分以上)に満たない場合、その国の「非居住者」とする旨、規定しています。基本的には生活の拠点が実質どこであるかが重要な要素ですが、滞在日数という形式的な要素がクローズアップされています。
テニス選手の場合、毎週のように各国を転戦していますが、試合がないオフの時、どの国にいるのか?また、ベースとなる練習拠点はどこの国にあるのか?などが考慮されます。
錦織選手の場合は、練習の拠点が米国で完全オフ時は日本に帰ってくるようです。日本と米国とどちらの滞在時間が長いのかも重要な要素です。
なお、賞金などは大会の開催された国において源泉徴収により納税している場合が多いです。所得税の申告は日本か米国のどちらかでしょうね。おそらく、米国で申告した方が節税になるでしょうから米国で納税しているのではないかと思いますが、実際はどうでしょう。滞在日数がわからないのでなんとも答えられません。
ただし、錦織圭選手に税理士がついているのなら(たぶんついていると思いますが)間違いなく、錦織圭選手の住所地であるアメリカのフロリダ州に納税していると思います。なぜならば、フロリダ州は個人所得の州税がかからないので、米国内でも比較的安い税金で済むからです。
それでは、縁起でもないのですが、(税理士としてお答えするだけなのでファンの方はご容赦ください。) 錦織圭選手が不慮の事故でお亡くなりになった場合の相続税は、どのような扱いになるのでしょうか?
まず、被相続人(錦織圭選手)が海外(アメリカのフロリダ州)に住んでいても、相続人が日本に住んでいる場合は、日本の財産も海外の財産も相続税の対象となります。この場合相続人の国籍が日本だろうと外国であろうと関係ありません。
次に、被相続人が海外に住んでいて、相続人も海外に住んでいる場合は、海外にある財産は課税の対象外になります。だからといって、海外に居住地を移せば、税金を払わなくてよいのかというと、そうではなく、移住をしてから5年を超えてからでなければ、課税対象から外れません。
最後に、被相続人が海外に住んでいて、相続人が海外に住み、かつ外国国籍の場合は、日本の財産のみ相続税の課税対象になります。
ちょっと複雑ですよね。税法というのは、ちょっとのミスが大問題になりやすい法律です。