第12話においても離婚税制について少し触れてきましたが、今回はタレントの三船美佳さんの実例を基にもっと掘り下げてみましょう。
三船美佳さんは東京家庭裁判所に対し、協議離婚が成立したロックバンド「THE虎舞竜」の高橋ジョージさんに財産分与を請求する調停を申し立てました。離婚に伴って動くお金は、財産分与のほか、慰謝料、養育費などがあり、お金が動けば税金も無関係ではありません。あらためて整理してみましょう。
三船美佳さんは婚姻時に高橋ジョージさんと共同購入した都内の住居につき財産分与を求めました。協議離婚成立から半年たってから請求した理由は、現在もローンを毎月40万円三船さんが支払っていることにかんがみ、知人から勧められたためだそうです。なお、財産分与の請求権は離婚成立から2年で時効になります。
財産分与は、婚姻期間中に夫婦が作り出した財産を分け合うものでありますから、結婚前からそれぞれが持っていた財産や相続・贈与で取得した財産を除いた部分について、分与割合は一般的には2分の1ずつになります。三船さんのような共働き世帯だけでなく、仮に夫が経営者、妻が専業主婦であっても同様です。また、不倫が原因の離婚であっても分与割合を決める際には考慮されません。三船・高橋元夫婦の離婚の原因は夫による暴力が理由と言われておりますが、仮にそうだとしても財産分与割合に影響を与えることはありません。
財産分与で受け取った財産だけではなく、離婚した時に受け取る慰謝料や養育費には税金がかかりません。問題なのは、養育費を毎月受け渡している元夫婦のうち、子供の扶養控除をどちらが適用できるかという点です。
扶養控除の適用要件は子供と生計を一にしていることであり、養育費を受け取っている側は実際に生活を共にしているので適用が可能です。また養育費を支払っていれば同居していなくても「生計を一」にしているとみなされ、子供を扶養控除の対象にできます。ただし、税法上はどちらか一方しか扶養控除できないことになっています。この場合、どのような扱いになるかといえば、一方の申告書で子供を扶養親族として記載しているともう一方は適用できないことになります。つまり早いもの勝ちで決められるということになります。
髙橋ジョージさんの出身地って宮城県の栗原市と聞いております。栗原市って仙台と一ノ関のちょっと一ノ関よりの場所にありますけど、同郷のよしみでこれからも応援させてもらいます。