アメリカの経済誌『Forbes』が、いまは亡き有名人の(2015年10月1日~2016年10月1日までの)年収ランキングを発表しました。その結果、マイケル・ジャクソンが、2位との差7億7,700万ドルと大きく引き離し、トップを飾りました。
この春、マイケルの遺産管理団体は、保有していたソニーATVミュージック・パブリッシングの株式をソニーに売却。マイケル側に7億5,000万ドルが支払われました。これにより、マイケルのこの一年間の収入は8億2,500万ドル(約860億円)と莫大な額になりました。
仮にマイケルはこの“臨時収入”がなくとも、トップを飾っていました。
2位は、スヌービーが映画化された(『I LOVE スヌーピー THE PEANUTS MOVIE』2015年)、漫画家チャールズ・M・シュルツが登場。9月に亡くなったゴルファー、アーノルド・パーマーが3位に入りました。
皆さんは、このニュースを聞いたときに、少し奇異な感想を持ったかもしれません。
なぜなら、日本では、故人の年収といった考え方がないからです。
第21話でも少し触れましたが、アメリカの遺産相続人の考え方ですが、日本とは違い財産は被相続人が築いたものですので、遺言書が無い場合、日本のように法定相続人に財産が自然に分配される又は、遺言書から財産を奪い取るような遺留分の制度もありません。
日本の相続税は相続財産を受け継いだ人「相続人」が納税義務者となり、相続人間でその受け継いだ財産の額に応じた配分で相続税を納税することになりますが、アメリカではその名称も相続税とは言わずに遺産税といい、遺産を残した人(亡くなった方)が税金を払うという考え方をしますので、このようなニュースが出回ることになるのです。