11月に入り、仙台もめっぽう寒くなってきました。そして、食欲もだんだん増してきまして…。仙台市若林区卸町にある顧問先様からの帰り道には、いつも立ち寄る杜の市場内の北辰鮨直営店 どん辰でいつも昼食をとっています。ここの日替わり定食を頼むのが楽しみで、大盛りは無料で、あさり汁のお替りも自由なので腹いっぱい食べさせてもらっています。ついつい、メタボ気味の体も重くなりがちです。税金の世界でも、世界的に肥満傾向にある人口を抑制するために少し動きが出てきました。
世界保健機構(WHO)は、10月11日に糖分を多く含む清涼飲料へ20%の「砂糖税」をかけるように各国に呼びかけました。世界的に増加傾向にある糖尿病や肥満を防止するために値上げによって消費を抑えるのがその目的です。「健康増進」を理由とした増税は、日本でもたばこ税などで近年行われており、世界的なトレンドともなりつつあります。WHOが発表した報告書によりますと、世界の肥満人口は直近30年で2倍以上に増加し、成人の総人口に占める割合は4割に達しつつあるとのことです。また糖尿病患者も30年余りの間に1億800万人から4億2200万人に増えております。糖分が多く含まれる清涼飲料の世界的な普及増が背景にあるとして、報告書では、仮に清涼飲料に20%の課税をすると、消費を2割減らすことが可能だと予測しております。既に、メキシコやフランスなど一部の国では「砂糖税」が実際に導入されており、WHOの推計もそれらの実績を基に予測されたものです。では日本はというと、かつて1901年に砂糖消費税が導入されたことがあります。当時の砂糖は輸入品が多くぜいたく品とみなされたためですが、砂糖への課税はその後長く続き、89年の消費税開始時まで存在していました。さらに昨年、厚生労働省の有識者会議で、増大する社会保障費の財源確保策として、砂糖に対する課税が提案されています。消費を減らして糖尿病リスクを抑制すると同時に、税収を医療費に充てて財源確保にも役立てることを目論んだもので、あまり検討されずにお蔵入りとなりました。しかし日本でも、同じ健康増進を理由として増税され続けている「たばこ税」のような前例があります。法人税減税などによって税収を減らす政府が代替財源を求めていること、『健康増税』が世界的なトレンドになっていることを踏まえれば、WHOのお墨付きという大義を掲げて再び導入論が浮上してくる可能性は非常に高いといえそうです。