今日の仙台の朝は、小雪が少し積もっていました。いつの間にか本格的な冬が迫っております。
今回は、前回お話したパナマ文書流出事件で、何かと話題になっているタックスヘイブンについて何が悪くて何が問題なのかをなるだけ簡単にお話していきたいと思います。
そもそもタックスヘイブンとは、租税回避地という意味で、そのほとんどが小国や自治区で、自国産業が弱いところが多く、それらは税率を低くするか課税しないことによって人や企業を集めるという政策を取っています。元々は小さな国が貿易業などでこの地域が拠点になれば、定期的に船乗りなどが訪れて外貨を落としてくれるという理由からできた制度です。
このように税金がかからないもしくは安く済むとなれば、お金持ちの企業や人がどんどんお金を持ってきてくれるし人も集まるしタックスヘイブン地域も企業もハッピーな関係になるということ。つまり税金がかからない地域へお金を逃がすということですが、その逃がし方が問題となります。まず、タックスヘイブンに会社を設立します。これが実態のある会社であれば問題がないのですが悪用する奴というのは実体のない幽霊会社(ペーパーカンパニー)を設立します。実態がないから一つのビルに数万社が入るといったこともあります。
そして実態のある会社の営業利益を架空取引などによってこのペーパーカンパニーにお金を移すわけです。で、実態のある会社の利益を目減りさせ、その国において税金を払わなくていいレベルにまで持っていきます。タックスヘイブンの地域にはお金が渡り利益は出ますがそこはタックスヘイブン地域なので税金がかからないか著しく税率が低い。で、本国では税額が低かったりそもそも払わなかったりするから税収が落ち込む。これが問題点となります。
実際はみなし課税というものがあって、外国子会社との取引によって自国法人の利益を目減りさせたと認められる場合には課税されますが、調べようがないから課税されないというのが実情です。
他国の内政に干渉する事になるから手は出せないという事が問題といえるかもしれません。
また別にこれを悪用して詐欺師などを筆頭とした犯罪組織がタックスヘイブン地域に幽霊会社(ペーパーカンパニー)を設立して被害者から集めた金を送金したりしています。
で、個人情報を硬く守られているが故に誰がどのように金を運用しているのか不透明になります。
という感じで犯罪組織の資金源もタックスヘイブン地域に眠っていることになります。要するにマネーロンダリングの温床にもなっているということです。
確かにこのパナマ文書には大企業の名前が連なってはいるけれど、別に正当な投資目的でタックスヘイブンに金を移しているだけかもしれないし商船会社なんかは当然に利用している制度です。ただ犯罪の温床になる事、過度な税逃れは今後も大きな問題として残っていくことになると思われます。