明けましておめでとうございます。皆様方、今年もどうぞよろしくお願いいたします。仙台の賀茂神社にて元旦の初詣をすませ、お屠蘇を飲みながら今年も私の独り言を書かさせて頂きます。
去年は、世界を揺るがしたパナマ文書公開のほか、毎年おなじみの地方自治体による過徴収など税金がらみの事件は多かったですね。ちょっと振り返ってみます。
去年の税金事件の中で、もっとも世間をにぎわしたのは、第43話でも取り上げた「パナマ文書」の公開でしょう。文書には世界中の企業や個人によるパナマをはじめとしたタックスヘイブンの利用実態が記載されており、アイスランドの首相が辞任するなどその影響は多方面にわたりました。パナマ文書の公開をきっかけに、国際的租税回避行為を問題視する機運が高まり、国税当局は10月に「国際戦略トータルプラン」を公表し、国際取引への監視を強化する方針を打ち出しております。
日本発の話題に目を向けると、一部週刊誌が9月に報じたプロボクサー・井岡一翔氏の父親の所得隠しが去年の大きな申告漏れ事件でした。ボクシングの興行やジム経営をする会社の代表者である父親が、チケットの売上などの収入を申告しなかったため、7年間にわたる申告漏れについて修正申告しました。
大企業と国税当局との争いも目立ちました。
ヤフーは、子会社買収時に企業再編税制を利用し、不当に法人税を減少させたとして国税当局から178億円の追徴課税を受け、これを不服として訴訟を提起しておりましたが、2月に最高裁から上告が棄却されております。
一方、日本IBMは、これと同じ月に120億円の法人税課税処分を取り消す最高裁の判断を勝ち取りました。明暗がはっきり分かれた結果となっております。
また、サッポロビールは私も愛飲している「極ZERO」をめぐる酒税の返還問題で、不服審判所に主張を棄却されております。
毎年発覚するのが地方自治体による地方税の過徴収問題です。
宮崎市は8月に住民税の特別徴収で1,897万円の過徴収があったことを発表し、埼玉の4市は、住民税の延滞金を過徴収していたことを9月に公表しております。
12月には秋田市が、最長43年間にわたって固定資産税を過徴収していたことを明らかにしております。
去年始まったばかりのマイナンバーでも、通知カードの未到達やマイナンバーシステムの障害、制度にまつわる詐欺事件など数々の事件が起こりました。平成28年分の確定申告から様々な文書に番号の記載が求められるが、今後は大規模な流出事件が懸念されます。