今日は、せっかくのバレンタインデーですので、面白おかしくバレンタインデーにおけるチョコなどのプレゼント贈答行為を法的に分析してみたいと思います。
バレンタインの日、男性にプレゼントを渡した女性は、ホワイトデーにお返しが貰えることを期待するものだと思います。義理チョコの場合はそんなことはないかな?
2年ほど前、ホワイトデーにバレンタインのお返しが貰えなかったことに腹を立てて、夫の首を絞めた妻が殺人未遂で逮捕されるという事件がありました。
そもそもバレンタインでチョコなどのプレゼントを貰った場合、貰った側はお返しを渡す義務はあるのでしょうか?
もちろんバレンタインでチョコなどの贈り物をもらっても法的にお返しをする義務はありません。
バレンタインデーにおけるチョコなどのプレゼント贈答行為を法的に分析すると、民法上の「贈与契約」と評価されます。
民法には、(連帯)保証契約のように、書面で契約しなければ成立しない契約類型もありますが、贈与契約は、書面がなくても、当事者間の合意があれば成立します。
また、少し難しい話をすると、世の中の契約には、双務契約と片務契約があります。双務契約は、例えば売買契約で、売主は商品を交付する義務を負うと同時に、買主は代金支払義務を負うように、当事者双方に義務が課せられるものです。
これに対し、バレンタインデーでチョコを贈るという贈与契約は、まさに片務契約の典型例であり、贈る側のみが、贈るという義務を負います。
ただし、厳密にいえば、書面によらない贈与契約は、履行済まで(チョコを贈るまで)自由に撤回できます。
法律の理論の上では、ホワイトデーにお返しをする義務が生じることはあり得ます。
負担付贈与と呼ばれるものです。
簡単にいうと、ホワイトデーに誠意をもってお返しをすることを、チョコをもらう側が義務として負担する約束でバレンタインデーに贈与を受ける場合です。
他にも、「ホワイトデーできちんとお返しをしない場合にはチョコはあげない」という条件付でチョコを贈ることも法律上可能です。
この場合は、「解除条件付贈与契約」と呼ばれ、ホワイトデーにお返しをしないと、贈与契約の解除条件が発動され、チョコの贈与が無効になります。
しかし、実際には、そんな条件や負担付でチョコを贈っている人はいませんので、あくまで法律上の机上の理論のお話です。
今回は、バレンタインデーのチョコ贈答とホワイトデーのお返しをテーマに民法の小難しい話として分析しましたが、結局は、感謝の気持ちを伝えるのが何より大事ですね。