ドイツ・ボンで16日に開催された日米韓外相会談で第76話でもふれた金正男暗殺事件や北朝鮮の核・ミサイル問題が議題となりました。ドナルド・トランプ米大統領は、北朝鮮への対抗姿勢を強めており、3月にも世界最強の軍事力を行使する可能性があります。
今後、犯行が「北朝鮮の仕業」「正恩氏の指示」と断定されれば、日米首脳会談に合わせた11日の弾道ミサイル発射を受けて「非常に強い態度で対応する」と怒りをあらわにしたトランプ氏を、激高させそうです。
トランプ氏は「ここで北朝鮮になめられたら、他の国になめられる」という感覚から、目に見える格好で強い姿勢を示すかもしれません。過去にも、相手がなめてかかってきたら「10倍返し」でやるという趣旨の発言をしています。
まず考えられるのは、北朝鮮と取引する中国企業が使用する金融機関に対する金融制裁のグレードアップです。さらに米韓軍事演習の強化や、米国防情報局を通じた工作も強化してくるかもしれません。
朝鮮日報は11日、米原子力空母「カール・ビンソン」が前日にグアムに到着したことや、ステルス戦闘機「F22ラプター」の日本配備に触れて、米軍の戦略部隊が朝鮮半島周辺に集結していることを報じました。
かつてない規模で行われる3月の米韓軍事演習ですが、過去には正恩氏を急襲し、確保・排除する「斬首作戦」に沿った演習が行われてきました。
今回は本物の「斬首作戦」に変更してもよいような軍事演習となるかもしれません。
北朝鮮攻撃のシナリオは次の通り。
陸からは、韓国軍と米軍の特殊部隊で平壌まで行きます。空からは、B2爆撃機が平壌上空まで行き、地下の約50メートルまでコンクリートをぶち抜ける爆弾「バンカーバスター」を使って、地下壕にいる正恩氏の居場所を徹底的に攻撃します。海からは、恐らくトマホークを打ち込むでしょう。海上にはイージス艦もいるので、北朝鮮が弾道ミサイルで反撃してきた場合は、海上配備型迎撃ミサイルSM3で全部打ち落とします。
トランプ氏が、暴走する正恩氏を排除する決断を下すきっかけは何か、作戦終了までにかかる時間はどの程度か。
これについては、北朝鮮が米国に到達する能力を持つ大陸弾道間ミサイルを発射したとき、またはトランプ氏が何らかの情報に基づきゴーサインを出したときが考えられます。早ければ1週間程度で、正恩氏を排除できると軍事関係者は予測しております。