子ども手当とは、その名の通り「子どもに支給されるお金」のことです。中学生以下の子どもが支給の対象になります。子ども手当を受け取るためには、役所に申請をしなければなりません。一月あたりの支給額は以下の表のとおりです。
年齢 | 支給額 |
3歳未満 | 1万5千円 |
3歳~小学生 | 1万円 ※第一子・第二子 |
1万5千円 ※第三子以降 |
中学生 | 1万円 |
例えば、6歳と2歳の子どもがいる家庭があるとします。その場合、「(1万5千円+1万円)×12ヶ月=30万円」となり、年間で30万円が支給されることになります。
子ども手当が創設されたのは、「社会全体で子どもを育てるため」です。そのような目的があると「すばらしい制度だ」と思うかもしれませんが、その裏には国の狙いがあります。
「子どもの将来のために何かをする」と聞いて、不快に思う人はいません。むしろ、ほとんどの国民から賛同を得られます。誰もがそのように思うため、選挙では票が入りやすくなります。つまり、政権を維持しやすくなります。
もちろん、子ども手当は私たちにとってもありがたい制度なのですが、その制度が作られた裏で「16歳未満の子どもの扶養控除の廃止」が決まっていたのです。
16歳未満の子どもの扶養控除がないということは、「その分だけ所得を少なくすることができない」ということです。上記の例であれば、「38万円×2人=76万円」となります。76万円分の所得控除ができないので、その金額に応じて多くの所得税を払わなくてはなりません。仮に、この家庭の所得税が「所得の20%」であるとします。その場合、「76万円×20%=15万2千円」となり、15万円以上の節税ができない計算になります。
場合によっては、「支給される子ども手当」よりも「節税できない金額」のほうが大きいことがあります。つまり、子ども手当をもらっているのに、トータルでは損をしている場合もありうるということです。
子ども手当はありがたい制度ですが、その背景をしっかりと理解しなければなりません。