連帯納付義務は、国税当局からすれば非常に有効な手段です。一方、自分の納税分を完納した相続人からしてみれば、滞納者の分まで納税するのには納得がいかないでしょう。ここに大きな問題をはらんでいます。
この問題をめぐって定期的に、連帯納付義務に関する「不服申立て」が起きています。しかし、基本的には訴訟を起こしても敗訴してしまうのが実情です。なぜなら、「連帯納付義務は、法律上当然生じる義務」としてみなされるからです。
ただし、平成24年度改正により「解除要件」が認められるようになりました。また、延滞による罰則規定が緩和されたりもしています。ただ、連帯納付義務は未だに存在する義務ですので覚えておく必要があります。
他の相続人が相続税の納税を滞納した場合、罰則として利子税を加えた金額を納税しなければなりません。
かつては、この罰則として延滞税14.6%が課されていました。しかし、あまりにも負担が大きいことから、平成24年度の制度改革にて「延滞税から利子税へ」と切り替えられ、ペナルティの税率も下がりました。
また、注意点ですが、通常の相続税の納税と異なり、連帯納付では延納は認められません。
税務署は相続人が滞納している旨を、連帯納付義務者に「督促状」にて通知します。この督促状には、下記のような内容が記されています。
・他の相続人が滞納している旨
・督促状の受取人が連帯納付の義務を負う旨
・税務署の担当者名
したがって、連帯納付義務の督促状を受けた場合には、管轄税務署の担当者にすぐに確認を取るべきです。また、滞納している相続人にも連絡がつく場合には、確認を取ることが重要です。
次回は、解除要件について詳しくご紹介します。