ロンドン西部の高層公営住宅で14日午前1時(日本時間14日午前9時)頃、火災が発生し、建物全体に燃え広がりました。
発生から15時間以上を過ぎても消火活動が続いており、死傷者が多数出ている模様です。住民らは、「防火扉があるので火事の際には自室で待機するように」との指導を受けておりました。これが被害拡大の一因になった可能性があります。
火災が起きたのは、24階建てで約120世帯が入居できる「グレンフェル・タワー」。1974年に建てられました。ロンドン消防当局によりますと、14日午前0時54分に最初の通報があり、消防車40台、消防士200人以上が出動して消火に当たっております。
ロンドン警視庁は同日、「12人の死亡が確認された」と発表しました。消防当局によると、70人以上が病院で治療を受けています。火が燃え広がった際、建物には多くの人が取り残されていたとみられ、死傷者数は増える恐れがあります。
では、日本では、同じような高層ビル火災が起こる可能性があるのでしょうか?
タワーマンションなどの日本国内の高層住宅は延焼防止構造や防災設備の設置が義務付けられ、今回のロンドンと同様の火災が起きる可能性は低いとされますが、適切に管理されていることが前提となります。
総務省消防庁によりますと、はしご車が届かない11階建て以上の建物は高層ビルと位置づけられ、建築基準法や消防法で規制されています。マンションの場合、各部屋の鉄扉の外側に廊下が設置され、ベランダ側も仕切りで分断。11階以上はスプリンクラーの設置が義務付けられ、どの部屋で火災報知機が作動しても管理室を通じて全部屋に知らせる仕組みが取られています。
平成27年に全国で起きた高層マンション火災は計477件で、うち死亡火災は13件(14人)。ですが、高層マンション火災全体の平均焼失面積は3・4平方メートルにとどまっています。同庁予防課の担当者は「国内では焼けても1室だけで済む例が多く、大規模な延焼や逃げ遅れは考えにくい」と話しております。
次回は、このような高層マンションを使った節税策についてお話しします。