政府・与党は20階建て以上の高層マンションについて、高層階の固定資産税と相続税を引き上げることにしました。2018年以降に引き渡す新築物件が対象となります。一方で低層階の税負担を軽くします。高層階の部屋は取引価格が高いわりに税金が安く、富裕層の間では節税策として購入する動きが広がっていました。
高層マンションの中間の階は現行制度と同じ評価額にする一方、中間階よりも高層の階では段階的に引き上げ、低層の階では段階的に引き下げます。
新しい税制の対象は18年以降に引き渡す新築物件に限定します。既存の物件は今の税制を適用します。現在の税負担を前提に高層階を購入した住民から強い批判が出ることが予想されるからです。
20階建て以上の高層マンションは建築規制の緩和により、1999年から関東、東海、関西の三大都市圏で急増。すでに全国で1200棟を超えています。15年に相続税が引き上げられて高層マンション節税の人気が高まったことから、今回対策に乗り出すことにしたようです。
今回の新しい税制改正の対象が2018年以降に引き渡す新築物件であり2017年までに完成して引渡しを受ければ、現行のままの固定資産税評価額が適用されます。2017年竣工のタワーマンションの高層階は駆け込み需要が発生する可能性があります。 中古マンションは2018年以降引渡しでも現行のままです。また現在すでに高層階を購入した方にとって、既に建設しているタワーマンションの固定資産税を変更するものではありません。 2017年までに竣工した中古タワーマンションの高層階は固定資産税が有利な物件として付加価値が上昇するかもしれません。今回の改正で、これまでの面積按分の固定資産税・相続税は長期に住むことを考えると有利にはたらき、既存のタワーマンション高層階の価格に影響を与えると思われます。