先日、研修にて名古屋に行ってきました。さすがトヨタ自動車の「お膝元」だけあって、仙台では全くといっていいほど見かけない燃料電池自動車MIRAIを何台もみかけました。
環境対応車として期待を集める電気自動車(EV)と燃料電池車(FCV)。これらのクルマを実際に走らせると、「電費・燃費」はどれくらいになるのでしょうか。
私も実際、環境と燃費を考えて日産リーフに乗っています。興味がありましたので少し調べてみました。日経BP社が発行する自動車技術専門誌「日経Automotive」では2016年1月、日産自動車「リーフ」とトヨタ自動車「ミライ」の実燃費を測定、比較しています。その結果、車両に投入するエネルギー量が同じなら、リーフがミライの2倍以上の距離を走れることが分かりました。
これは非常に大きな差です。なお実験では、参考のために米Tesla Motors(テスラ)のEV「Model S」の高速走行時のデータも測定しています。同車の単位エネルギー当たりの走行距離は、暖房ありで4.7km/kWhとミライの2.8km/kWhを上回ります。ちなみに「リーフ」は、同じ条件で6.4km/kWhでした。車両質量が2t(トン)以上とミライより重いEVでも、FCVよりエネルギー効率に優れることが分かっています。
MIRAIには水素ステーションが必要で、現在41か所を予定しています。
これに対してリーフには充電ステーションが必要、NCS急速充電スポットは約2,500基あり、日産販売店舗急速充電器約1,600基と合わせて、約4,100ヵ所が予定されています。(充電可能スポットは合計6,460箇所)
水素ステーションの設置には約4億円かかり、ガソリンスタンドの8千万円に比べて非常に高いです。経産省は補助金や規制緩和などでコスト低減を図り、水素ステーションの設置コストを欧米並みの2億円程度に引き下げる目標を掲げFCVの価格も2025年までに200万円台まで引き下げるといっていますが、いずれも実現の見通しはいまだ立っておりません。ちなみにEV用充電スタンドの建設コストは585万円と見積もられています。