妻の立場から見た場合
「熟年離婚」と「年金分割」という言葉を最近はよく聞くようになりました。
熟年離婚とは、50~60代以上の夫婦の離婚のことをいうのが一般的ですが、熟年離婚をしますと、配偶者の財産の相続権を失ってしまいますし、財産分与をもらったら、あとは生活費等の金銭を毎月もらえるということもありません。
頼みの年金分割も、ご自分が年金をもらえるようになるまでもらえませんし、額だってそうたいしたものではないはずです。
そこで、「熟年離婚だ!!」と思っている妻へ。
本当に離婚して生活はやっていけますか?
まずは、ご自身が離婚後、どれくらいお金が必要になるか等の離婚後の生活
設計を立てて把握しておくべきです。
もし、生活が十分成り立つ方であれば、離婚という選択を選ぶのもいいかと思います。
ですが、離婚を夫が承諾してくれない場合や、離婚後の生活が成り立たないという場合は、熟年別居という手もあります。これは文字通り離婚をしないけど、別居するということです。
熟年別居のいいところは、生活費(婚姻費用)をもらう権利を持っている点です。
しかも、離婚はしていないので、相続権も残っています。
ですから、「この人といてもつまらない」「今まで家のことをほとんどしてくれなくて、私は家政婦じゃない!!」「これからずっと一緒にいると思うと息が詰まる」など、明確な法定離婚事由がなく「この人とこれからも一緒に生活するのがなんとなくイヤ」という、今までの結婚生活で色々な不満がたまり、「子供も自立したからもうこの人と一緒に生活する必要は無いから、離婚をしようか」と考えている場合は、離婚するのでなく熟年別居という選択をするのもいいかと思います。