総務省によりますと、働きながら介護をしている人は291万人いる中で、介護を理由に離職する人は毎年およそ10万人に上ります。家族のためとはいえ、長年勤めた会社を離職する人にとっては苦渋の決断ですが、企業にとっても、ある日突然、貴重な人材を失うことになりかねない重大な事態です。
そこで、退職して一切の関係を切ってしまうのではなく、一時離職扱いにして介護給付金の支給を受ける選択肢もあることをご紹介します。
常時介護が必要な家族のために、2週間以上にわたって会社を休業する必要が生じた65歳未満の会社勤めの人には、家族1人につき最長93日分の介護休業が取得でき、休業開始日前の給料の約7割が支給されます。休業中に会社がいくらかでも給料を支払えば、その額によって支給額は調整されます。
配偶者や父母、子供、配偶者の父母は同居していなくても対象になりますが、祖父母、兄弟姉妹、孫は同居し扶養していることが条件となります。
給付を受けるための要件として、介護取得者は介護休業を開始前の2年間で、1ヶ月に11日以上働いた月が12ヶ月以上なければなりません。契約社員や派遣社員などは、同一事業主のもとで1年以上雇用されていることに加え、介護休業開始予定日から起算して93日経過する日を超えて引き続き雇用される見込みであることが条件として付け加えられています。
支給額は、休業開始時賃金日額×支給日数×67%。ただし、賃金月額(賃金日額×30日)は、466,500円を上限、68,700円を下限としています。
例えば、賃金日額が8,000円で支給日数が84日であれば、支給額は450,240円となります。