世界に激震を走らせた「パナマ文書」(第43話参照)から2年余り、つい先日もパナマ文書を元にして政府を追求していた女性ジャーナリストが命を落とすという事件もありました。
そのパナマ文書の報道を手掛けたICIJ(国際調査報道ジャーナリスト連合)がさらに新たなる「パラダイス文書」を入手しました。
パラダイス文書とは、法律事務所「アップルビー」などから流出した、英領バミューダ諸島などのタックスヘイブン(租税回避地)に設立された法人などに関する電子ファイルの総称です。
産経ニュースによりますと、このタックスヘイブンは美しい島国に多いほか、フランス語などで「税の楽園」と表現することからICIJは「パラダイス文書」と名付けたようです。パナマ文書と同様に、ヨーロッパの有力紙「南ドイツ新聞」が入手し、ICIJと共有しましたが、情報源は一切明らかにされていません。
文書数は1340万件で、データ量は1.4テラバイト。「史上最大のリーク」と呼ばれた2016年のパナマ文書と比べデータ量では少ない一方、資料数は190万件多いそうです。
パラダイス文書に掲載された各国の政治家・君主らの名前は、47カ国127人。カナダのトルドー首相やイギリスのエリザベス女王らが掲載されています。芸能人では歌手マドンナさんや、ロックバンド「U2」のボノさんの名前もありました。
日本からも「ドラゴンボール」で知られる漫画家の鳥山明さんや、鳩山由紀夫元首相の名前が掲載されています。
パラダイス文書をざっくり簡単に言うと、税金がかからない場所で企業などがペーパーカンパニーなどを作りそこへお金を移すことにより納税を免れていたりマネーロンダリング(資金洗浄)をしていたりしているかもしれない重要な情報を集めた文書ということになります。
パナマ文書では、プーチン大統領の友人や習近平国家主席の義兄の名前があり今回のパラダイス文書ではさらにどんな有名人の名前が出てくるのか興味があるところです。