第417話 クレジットカード (1)
税務上、盗難によって損害を受けた資産は雑損控除として一定金額の所得控除を受けることができます。この雑損控除の対象になる資産には、生活に通常必要な住宅、家具、衣類などとされており、事業用の資産や別荘、書画、骨董、貴金属などで1個又は1組の価額が30万円を超えるものは当てはまりません。
そして雑損控除の対象となるのは、被害の防止費用と「実際に発生した損失」のみであるために、クレジットカードが盗まれたとしても、実際に被害にあわなければ対象になりません。例えば、カードが盗まれ、そのカードを使って50万円が不正使用され、そのうち20万円を自己負担したというのであれば、自己負担した20万円は「実際に発生した損失」になるため雑損控除の対象とすることができます。
なお、制度の対象になるのは災害、盗難、横領による損失のみです。詐欺、脅迫、紛失などによる損失は対象とならないため、振り込め詐欺やワンクリック詐欺などの被害を受けたり、紛失したりしても損失分を控除することはできませんので注意が必要です。
文責 仙台市で相続税に特化した税理士事務所|栁沼隆 税理士事務所
所長 栁沼 隆
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