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 法定相続人には年齢制限がないため、たとえ生まれたばかりの赤ちゃんだって立派な相続人です。さらにお母さんのおなかの中にいる胎児であっても、民法の規定により「既に生まれたものとみなす」として相続権は与えられています。ただし、死産になるとその権利は失われます。つまり、胎児が無事に生まれてくるかどうかで、相続人の数が異なり、相続分がいくらなのかも変わるということです。

 相続人であるからには乳幼児でも胎児でも一個の人格を持ちます。ただし、判断能力がないからといって、遺産分割協議の作成に当たって、その子に代わって親が協議書にサインすることは許されていません。同じ財産を巡って親と子供の利害が対立する相続もあり、親が自分の有利に事を運ぶ恐れがあるからです。

 とはいえ、ペンも持てない乳幼児に署名捺印を迫ることはできませんので、協議書の作成に当たっては、家庭裁判所に特別代理人の選任を申し立てなくてはなりません。

 相続税の申告では、胎児であるのか、出生後であるのかで手続きが変わってきます。申告期限までに胎児が出生しているのならば、通常通りに相続税の申告を行います。なお、胎児の申告期限につきましては法定代理人が「胎児が生まれたことを知った日の翌日」から10カ月以内とされています。

 一方、申告期限までに出生していなければ、胎児はいないものとしていったん各法定相続人は相続税の計算をして申告をし、出生後、生まれた子供の法定代理人が10カ月以内に申告することになります。その他の法定相続人は、相続税の計算をし直して4カ月以内に更正の請求を行うことになります。

文責 仙台市で相続税に特化した税理士事務所|栁沼隆 税理士事務所

所長 栁沼  隆

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