第615話 家屋の評価

故人が居住用や事業用に使っていた家屋の相続税評価額の計算式は【固定資産税評価額×1.0】です。つまり、家屋の固定資産税評価額がそのまま相続税評価額となります。
この固定資産税評価額は「再建築価格法」という手法によって計算されます。まったく同じ家屋を新築したとして必要になる建築費を基に、築年数によって生じる価値の減少などを補正値として掛け合わせて算出します。
一般的な認識として、家の評価額は建てた時が最も高く、年数の経過に応じてどんどん安くなっていくと考えがちです。
しかし建築資材の相場も一定ではありません。たまたま建築価額が低かった時期に家が建築され、その後資材の相場が上がれば、家屋の評価額が上がることもあり得ます。固定資産税の評価替えは3年ごとに行われますので、評価替えの年に偶然資材が高騰していれば、評価額は評価替え前より高くなります。
それでは固定資産税が建築時より上がってしまうこともあるのかといえば、その心配は無用です。家屋については、評価替えによって価格が上がってしまうときには評価額を据え置くというルールになっているからです。
なお家屋の評価額は、どれだけ築年数が経過しても、最低でも評価額の20%は残るようになっています。つまり、家に住み続ける限り固定資産税がなくなるということは、残念ながらあり得ません。
文責 仙台市で相続税に特化した税理士事務所|栁沼隆 税理士事務所
所長 栁沼 隆
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